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|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
昔の料理は至極簡単なものであった。今日の料理は至極複雑である。しかし、どっちが本当に美味を持っていたかというと、昔の簡単な料理に軍配が挙がる。少なくとも今日の料理が次第にインチキ料理になりつつあることは争われぬ事実である。それはなぜかといえば、料理法は簡単素朴なものであったが、材料がしっかりしたものであったからだ。
こんど某会館で魚料理を始めた。僕も開業の日に行ってみた。食べ物についてはぜいたくな紳士で知られている○氏が経営者で、その料理人というのが、フランスの有名な魚料理店に七年とか十年とかいたという男であるというのが看板で、相当期待をかけていたらしい。
ところが行ってみると、そこに並べてある材料の魚を見ると、その魚がどれも... | 底本:「魯山人の美食手帖」グルメ文庫、角川春樹事務所
2008(平成20)年4月18日第1刷発行
底本の親本:「魯山人著作集」五月書房
1993(平成5)年発行
初出:「星岡」
1935(昭和10)年
入力:門田裕志
校正:noriko saito
2009年12月4日作成
青空文庫作成ファイル:
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南浦紹明(大応国師)は、宋の虚堂の法嗣で大燈国師のお師匠さん、建長寺の蘭渓道隆の門に参じたことがあり、宋から帰って後に筑前の崇福寺におること三十年、関西を風靡した。延慶元年臘月、七十四を以て示寂。
南浦の法統は女子の開悟を期するを以て特色としており、悟りに徹するには女も知らねばというわけで、その点、徹底しているともいえる。一休、沢庵などは、その出色で、一見エロ僧みたいだが、禅もここまで行かねば話せんと悦ぶ人は随喜する。南浦も、この派の傑僧だから、これで世事にもなかなか通じて角におけないところがある。その書は入宋しながらやわらかい和風を特色とし、大燈と好対照をなしている。「独歩」の二字よく彼の面目を表わし、その語、また大丈夫の所信... | 底本:「魯山人書論」中公文庫、中央公論社
1996(平成8)年9月18日初版発行
2007(平成19)年9月25日3刷発行
底本の親本:「魯山人書論」五月書房
1980(昭和55)年5月
入力:門田裕志
校正:きゅうり
2018年11月24日作成
青空文庫作成ファイル:
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| {"作品ID": "055062", "作品名": "南浦紹明墨蹟", "作品名読み": "なんぽじょうみょうぼくせき", "ソート用読み": "なんほしようみようほくせき", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 728", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2018-12-29T00:00:00", "最終更新日": "2018-11-24T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/card55062.html", "人物... | 0.586 | 0.63 | 0.284 | 0 | 0.687 | Advanced | 338 | 0.393491 | 40.875 | 6.353383 | 0.563877 | 0.887218 | 1.488987 | 0.005917 | 0.333971 | 487.609375 | 0 | 5.864957 |
東京における戦後の寿司屋の繁昌は大したもので、今ではひと頃の十倍もあるだろう。肴と飯が安直にいっしょに食べられるところが時代の人気に投じたものだろう。しかし、さて食える寿司となるとなかなか少ない。これは寿司屋に調理の理解がないのと、安くして評判をとるために粗末になるからだろう。
現に新橋付近だけでも何百軒とあるであろう。この中で挙げるとなると、昔、名を成した新富その弟子の新富支店、久兵衛、下って寿司仙くらいなものだろう。安田靱彦さんが看板を書いてるのもあるが、これは主人が作家でないらしくすべての上で私の気に入らない。
いったい寿司のウマイマズイはなんとしても魚介原料の問題で、第一に素晴らしいまぐろが加わらなければ寿司を構成しな... | 底本:「魯山人の食卓」グルメ文庫、角川春樹事務所
2004(平成16)年10月18日第1刷発行
2008(平成20)年4月18日第5刷発行
底本の親本:「魯山人著作集」五月書房
1993(平成5)年発行
初出:「独歩」
1952(昭和27)~1953(昭和28)年
入力:門田裕志
校正:仙酔ゑびす
2009年12月4日作成
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| {"作品ID": "049989", "作品名": "握り寿司の名人", "作品名読み": "にぎりずしのめいじん", "ソート用読み": "にきりすしのめいしん", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "「独歩」1952(昭和27)~1953(昭和28)年", "分類番号": "NDC 596", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2010-01-29T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-21T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403... | 0.52 | 0.633 | 0.193 | 0.379 | 0.702 | Intermediate | 9,369 | 0.298004 | 41.342466 | 6.684814 | 0.223666 | 0.942693 | 1.623181 | 0.010673 | 0.252249 | 510.910114 | 0.378909 | 5.199544 |
西洋料理、中国料理に添えてあるあのからしを見るたびに、どうも気になってしようがない。日本料理に付けられた場合などはなおさらである。
元来、西洋からしというもの、肝心の辛さが一向辛くなく、第一大切な香味がなっていない。辛味も香味も共に優れている日本からし。しかも、安価で存在しているものを、なにをもって西洋からしをありがたがるのか。わたしにはさっぱりその気が知れない。あの小麦粉とからし粉を混ぜ合わせたような精気のない西洋からしのいったいどこがよいのだろう。
なるほど、日本からしは使用に臨んで溶くというちょっと手間のかかるキライはあるが、それとてからし粉を湯呑の底にでも入れて、日本紙を一枚置き、少しばかり湯をそそぎ、灰あるいは炭火の... | 底本:「魯山人著作集 第三巻」五月書房
1980(昭和55)年12月30日
初出:「朝日新聞」
1938(昭和13)年7月1日
※表題は底本では、「日本|芥子《がらし》」となっています。
入力:江村秀之
校正:植松健伍
2021年2月26日作成
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多くの文明諸国におけると同じ様に、日本でも、やきもの、つまり陶磁器が日常生活の什器として使用され始めた時期は、遠く紀元前数世紀に遡ることが出来る。けれども、陶磁器が諸々の趣味生活の素材として取上げられ始めたのは、遥かに後代のことらしい。九世紀から十二世紀にかけて、日本では平安朝時代と呼ばれる、宮廷文化の華やかであった時代が続いたが、この時代は主として中国文化を輸入して、万事これを範とした時代であった。それで陶磁器についてもこの時代は中国歴代の王朝時代唐、宋の産物を輸入し、その美麗な色彩を持つ什器を珍重して楽しんだ時代であると言えよう。この時期に輸入された中国文化は、精神面においては所謂仏教文化であった。日本はこの時期から降って十八... | 底本:「魯山人陶説」中公文庫、中央公論社
1992(平成4)年5月10日初版発行
2008(平成20)年11月25日12刷発行
底本の親本:「魯山人陶説」東京書房社
1975(昭和50)年3月
入力:門田裕志
校正:雪森
2014年10月13日作成
青空文庫作成ファイル:
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| {"作品ID": "055083", "作品名": "日本のやきもの", "作品名読み": "にほんのやきもの", "ソート用読み": "にほんのやきもの", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 751", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2014-11-22T00:00:00", "最終更新日": "2014-10-13T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/card55083.html", "人物ID": "001... | 0.86 | 0.672 | 0.2 | 0.338 | 0.958 | Expert | 3,401 | 0.431344 | 74.977273 | 6.672802 | 0.253193 | 0.939332 | 1.551551 | 0.006175 | 0.267807 | 860.385847 | 0.338136 | 8.599436 |
私どもが旅行をしますと、汽車の弁当を食ったり、旅館の料理を食ったりしなければなりませんが、それらはいかにも不味くてまったく閉口します。そういう日本料理というものはまるでなっていません。まだ西洋料理ならいくらか食べられます。また、中国料理でもそうです。してみると、西洋料理とか中国料理とかいうものは、拵え方がやさしいのだ、単純なのだ。ひと通り覚えれば、誰にでも簡単にやれるのでありましょう。ところが、日本料理というと、そうはいかないのでありまして、私どもが料理人を使っていて、朝から晩までガミガミいっていましても、なかなかうまく出来ない。しかし、日本料理がうまく出来ると、われわれ日本人には誰の嗜好にも合って、その料理がわれわれの味覚にぴっ... | 底本:「魯山人の食卓」グルメ文庫、角川春樹事務所
2004(平成16)年10月18日第1刷発行
2008(平成20)年4月18日第5刷発行
底本の親本:「魯山人著作集」五月書房
1993(平成5)年発行
初出:「星岡」
1933(昭和8)年
入力:門田裕志
校正:仙酔ゑびす
2010年1月14日作成
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| {"作品ID": "049990", "作品名": "日本料理の基礎観念", "作品名読み": "にほんりょうりのきそかんねん", "ソート用読み": "にほんりようりのきそかんねん", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "「星岡」1933(昭和8)年", "分類番号": "NDC 596", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2010-02-06T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-21T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/c... | 0.556 | 0.605 | 0.17 | 0.142 | 0.781 | Advanced | 7,388 | 0.211559 | 45.132075 | 6.662188 | 0.18256 | 0.9373 | 1.58677 | 0.008392 | 0.22245 | 553.536015 | 0.142122 | 5.561305 |
持ち味を生かす
星岡茶寮において、料理人の補充を京都の地に求めたのは、単に茶寮の幹部がみな京都人であるからばかりでなく、日本料理というものが、京都を源流にして発達しているからであって、京都という土地は、言わば日本料理の家元なのである。
今は京都も時世の推移とともに面白からぬ風潮が流れ込んで、持ち前の美風も、よい産物も、だんだんと失われていくようであるが、それでも家庭料理などを見ると、今もなお古えに思いつかれ、究められた、真の料理らしいものが、古河に水の絶えざるが如く、多少はその面影を今に残している。そのわずかの存続からでも、私たちの学ぶべきところのものは決して少なくないのである。まことに真の料理、合理的の料理、無理のない料理、無... | 底本:「魯山人味道」中公文庫、中央公論社
1980(昭和55)年4月10日初版発行
1995(平成7)年6月18日改版発行
2008(平成20)年5月15日改版14刷発行
入力:門田裕志
校正:仙酔ゑびす
2013年5月14日作成
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| {"作品ID": "054980", "作品名": "日本料理の要点", "作品名読み": "にほんりょうりのようてん", "ソート用読み": "にほんりようりのようてん", "副題": "――新雇いの料理人を前にして――", "副題読み": "――しんやといのりょうりにんをまえにして――", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 596", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2013-07-22T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-16T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr... | 0.815 | 0.636 | 0.184 | 0.827 | 1 | Expert | 7,918 | 0.289214 | 74.461538 | 6.740175 | 0.20662 | 0.952402 | 1.588365 | 0.000631 | 0.245276 | 2,073.190828 | 0.827229 | 8.152947 |
山の中に三十年の朝夕起臥、ほとんど社交のない生活を営みながら、わたしは時に快速船のように何事も進ませずにはいられないくせをもっている。自慢ではないが、それっというすべてが超スピードで活動するために、周辺の助け舟は大変である。眼の回るようにキリキリ舞いだが、わたしから見てすべてが鈍速で見ていられない。第一快調を欠いている。その理由をわたしはよく考えているのだが、それは他でもなさそうである。第一わたしのように出来るかぎりの睡眠をとっていない。第二わたしの日常のように栄養を摂っていない。第三碌でもない俗事に頭を煩わすことが多過ぎるようだ。わたしが美生活していることに対し、彼等はわたしの美しずくめばかり狙っている生活とはかけはなれすぎてい... | 底本:「魯山人著作集 第三巻」五月書房
1980(昭和55)年12月30日
初出:「独歩 2号」
1952(昭和27)年9月
入力:江村秀之
校正:木下聡
2021年1月27日作成
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| {"作品ID": "059648", "作品名": "人間が家畜食", "作品名読み": "にんげんがかちくしょく", "ソート用読み": "にんけんかかちくしよく", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "「独歩\u30002号」1952(昭和27)年9月", "分類番号": "NDC 596", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2021-02-09T00:00:00", "最終更新日": "2021-01-27T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403... | 0.602 | 0.615 | 0.196 | 0.568 | 0.409 | Advanced | 1,408 | 0.299006 | 29.478261 | 6.501188 | 0.335938 | 0.909739 | 1.571429 | 0.012074 | 0.213104 | 225.597353 | 0.568182 | 6.018207 |
今日は「料理と陶器」の話を致すということでありましたが、そういうことになりますと、ここに三百点ぐらいの陶器を並べなければなりません。それに私はこの四、五日大変混雑をいたしておりまして、そういう準備はいたし兼ねたのでありました。それで外題を勝手に改めたのでありますが、御諒解ねがいたいと存じます。
料理を語らんとする者が「能書を語る」というのも変じゃないかとお考えになられる方もありましょうが、私の仕事といいますと、料理の研究よりも、書が一番古いのであります。書についての私の経歴というようなものを、烏滸がましいのでありますが、一つの挿話としてお聞きをねがいたいのであります。
私は十五、六歳の頃、京都におりまして、独学的に書の研究をし... | 底本:「魯山人書論」中公文庫、中央公論新社
1996(平成8)年9月18日初版発行
2007(平成19)年9月25日3刷発行
底本の親本:「魯山人書論」五月書房
1980(昭和55)年5月
入力:門田裕志
校正:木下聡
2020年5月27日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(https://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
| {"作品ID": "055063", "作品名": "能書を語る", "作品名読み": "のうしょをかたる", "ソート用読み": "のうしよをかたる", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 728", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2020-06-26T00:00:00", "最終更新日": "2020-05-27T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/card55063.html", "人物ID": "00140... | 0.534 | 0.574 | 0.161 | 0.175 | 0.624 | Intermediate | 4,856 | 0.270181 | 38.672131 | 6.186738 | 0.200124 | 0.846037 | 1.51136 | 0.001853 | 0.206073 | 408.859715 | 0.175041 | 5.343935 |
のりの茶漬けは至極簡単だが、やっている人は少ない。缶詰や壜詰になっているのりの佃煮には、いい香りのものは見られない。一年も二年も経って日増せになったのりとか、青のりのまじった生のりの屑だとか、言わば廃物をもって拵えたのが缶詰や壜詰ののりの佃煮である。悪いのになると、大部分青のりであるから、青のりの臭みと味とに満ちている。
ほんとうに美味しいのりの佃煮が食べたい人は、売りものにろくなものはないから、自前でつくるよりほか仕方がない。
自分で拵えるのは、生のりの採れる時分に、生のりを生醤油でごとごと、とろ火で煮つめることだ。生のりの手に入らぬ土地の人は、もらいものの干しのりなどを醤油で煮ればよい。煮つまらなくて、醤油がだぶだぶしてい... | 底本:「魯山人味道」中公文庫、中央公論社
1980(昭和55)年4月10日初版発行
1995(平成7)年6月18日改版発行
2008(平成20)年5月15日改版14刷発行
入力:門田裕志
校正:仙酔ゑびす
2012年9月26日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
| {"作品ID": "054976", "作品名": "海苔の茶漬け", "作品名読み": "のりのちゃづけ", "ソート用読み": "のりのちやつけ", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 596", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2012-11-22T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-16T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/card54976.html", "人物ID": "001403... | 0.518 | 0.601 | 0.215 | 0.346 | 0.51 | Intermediate | 1,589 | 0.241032 | 35.27907 | 6.535248 | 0.317861 | 0.913838 | 1.603431 | 0.007552 | 0.263852 | 224.294213 | 0.34613 | 5.179029 |
白菜の煮方などは、一般にあまり吟味したやり方が行われていないと思うので、とりあえずここで扱うことにした。
白菜というものは、元来中国青島の産であるが、昔から朝鮮にも多く栽培されていた。これは寒帯にできる野菜であるから、東京辺つまり暖地のものは、品質があまりよくないといえよう。
白菜の料理は、魚や肉には軽い調節になってよいものだ。白菜は純日本のものではないから、いわゆる日本料理として扱いにくいものの部類に属している。しかし、白菜のスープ煮というものはなかなか気の利いたものである。鶏の骨ばかり(肉のまじらないもの)叩きつぶしてスープを取る。肉のまじったもののスープは、味が俗になってだめだ。このスープは塩で味をつけるのがよろしい。こ... | 底本:「魯山人著作集 第三巻」五月書房
1980(昭和55)年12月30日
初出:「星岡 38号」星岡窯研究所
1934(昭和9)年1月
入力:江村秀之
校正:木下聡
2021年5月27日作成
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| {"作品ID": "059649", "作品名": "白菜のスープ煮", "作品名読み": "はくさいのスープに", "ソート用読み": "はくさいのすうふに", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "「星岡\u300038号」星岡窯研究所、1934(昭和9)年1月", "分類番号": "NDC 596", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2021-06-17T00:00:00", "最終更新日": "2021-05-27T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/00... | 0.45 | 0.636 | 0.214 | 0.594 | 0.377 | Intermediate | 673 | 0.264487 | 29.227273 | 6.820225 | 0.357477 | 0.966292 | 1.57243 | 0.035661 | 0.239934 | 135.266529 | 0.594354 | 4.498278 |
鱧
茶漬けの中でも、もっとも美味いもののひとつに、はもの茶漬けがある。これは刺身でやるたい茶漬けと拮抗する美味さだ。洋食の流行する以前の京、大阪の子どもに、「どんなご馳走が好きか」とたずねると、「たい」と「はも」と、必ず答えたものだ。それほど、たいとはもは京阪における代表的な美食だった。
はものいいのは、三州から瀬戸内海にかけて獲れる。従って、今も京阪地方の名物のようになっている。はもは煮ても焼いても蒲鉾に摺り潰しても、間違いのないよいさかなである。とりわけ、焼いて食うのが一番美味い。焼きたてならばそれに越したことはないが、焼き冷ましのものは、改めて遠火で焙って食べるがよい。要するに、焼いたはもを熱飯の上に載せ、箸で圧し潰すよう... | 底本:「魯山人の食卓」グルメ文庫、角川春樹事務所
2004(平成16)年10月18日第1刷発行
2008(平成20)年4月18日第5刷発行
底本の親本:「魯山人著作集」五月書房
1993(平成5)年発行
初出:「星岡」
1932(昭和7)年
入力:門田裕志
校正:仙酔ゑびす
2010年1月14日作成
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| {"作品ID": "049996", "作品名": "鱧・穴子・鰻の茶漬け", "作品名読み": "はも・あなご・うなぎのちゃづけ", "ソート用読み": "はもあなこうなきのちやつけ", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "「星岡」1932(昭和7)年", "分類番号": "NDC 596", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2010-02-02T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-21T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/... | 0.443 | 0.619 | 0.216 | 0.174 | 0.549 | Intermediate | 1,724 | 0.238399 | 35.956522 | 6.722628 | 0.296642 | 0.948905 | 1.608209 | 0.007541 | 0.27525 | 316.302457 | 0.174014 | 4.434756 |
小島政二郎君
僕の作品展示会の模様は、後便で記事の出ている新聞といっしょに送りますから、それをご一覧ください。
ここではアメリカで食べたお料理のことをざっと書いてご覧に供しましょう。飛行機がハワイに着くと、与田さんが迎えに来てくれて、ホノルルの本町通りで自身経営しているシティ・グリルというのへ連れて行かれ、ここでアメリカにおける最初の食事をとったわけです。食用ガエルの脚をオリーブ油でフライにしたのを出されたが、これはなかなか美味でした。
食用ガエルは、日本でも盛んに使われていますが、なんのこともなく、別においしいとも思ったことはありませんでしたが、シティ・グリルで試食してからというもの、食用ガエルに対する認識を新たにしました... | 底本:「魯山人の美食手帖」グルメ文庫、角川春樹事務所
2008(平成20)年4月18日第1刷発行
底本の親本:「魯山人著作集」五月書房
1993(平成5)年発行
初出:「芸術新潮」
1954(昭和29)年
入力:門田裕志
校正:noriko saito
2009年12月4日作成
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| {"作品ID": "050018", "作品名": "ハワイの食用蛙", "作品名読み": "ハワイのしょくようがえる", "ソート用読み": "はわいのしよくようかえる", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "「芸術新潮」1954(昭和29)年", "分類番号": "NDC 596", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2010-01-20T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-21T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/card... | 0.454 | 0.596 | 0.24 | 0.08 | 0.707 | Intermediate | 1,255 | 0.218327 | 40.333333 | 6.551095 | 0.369565 | 0.916058 | 1.705163 | 0.150598 | 0.244537 | 585.822222 | 0.079681 | 4.537586 |
山椒魚は手に入れるのが困難だが、反対にいくらでも手に入るもので、しかも、滅多に人の食わないもの、それでいて、相当の珍味を有するものと言えば、日本の蝦蟇だろう。
ひと頃、食用蛙というものが流行して、非常に美味いもののように言われたが、食用蛙などよりは蝦蟇の方が、よほど美味い。しかし、このことを知っている者は、案外少ないようである。
私がはじめて蝦蟇を食ったのは上海であった。ある料理屋に入ってみると、蛙の料理が特別に大きく書いて貼り出してあった。大田鶏と大書して貼り出してあったところをみると、中国でも蛙の料理は珍しい料理か、少なくとも呼びもの料理であったに違いない。さすが中国だけに面白い字を使う。田の中の鶏とはうまい表現である。
... | 底本:「魯山人味道」中公文庫、中央公論社
1980(昭和55)年4月10日初版発行
1995(平成7)年6月18日改版発行
2008(平成20)年5月15日改版14刷発行
入力:門田裕志
校正:仙酔ゑびす
2012年8月20日作成
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| {"作品ID": "054977", "作品名": "蝦蟇を食べた話", "作品名読み": "ひきがえるをたべたはなし", "ソート用読み": "ひきかえるをたへたはなし", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 596", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2012-11-09T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-16T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/card54977.html", "人物I... | 0.485 | 0.597 | 0.187 | 0.26 | 0.64 | Intermediate | 3,459 | 0.235906 | 39.72619 | 6.515931 | 0.222369 | 0.908088 | 1.523118 | 0.010986 | 0.256203 | 398.032171 | 0.260191 | 4.845296 |
書のこと、すなわち字のうまいまずいを最も明白に率直に説明しようとするときは、大体次のような甲乙二つの色別が出来るかと思う。甲はいわゆる書家の書というものであって、現在でいえば、よくある書道展覧会などに出陳されているような物を指すことが出来る。これには看板、版下など書く人、あらゆる習字の先生などを含むものである。要するに手本の形態を模倣する筆技を楽しみとし、筆技で渡世する職業書家を指してよい。仮りに、明治の過去に溯って著名な一流書家を例に挙げて見ると、日下部鳴鶴、巌谷一六、中林梧竹、小野鵞堂などがそれに当るといえよう。いずれも素人眼にはうまく見えるようだが、実はみな拵えものであって、そこには生命が含まれてない生きた屍といえよう。
... | 底本:「魯山人書論」中公文庫、中央公論新社
1996(平成8)年9月18日初版発行
2007(平成19)年9月25日3刷発行
底本の親本:「魯山人書論」五月書房
1980(昭和55)年5月
入力:門田裕志
校正:木下聡
2020年8月28日作成
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| {"作品ID": "055051", "作品名": "美術芸術としての生命の書道", "作品名読み": "びじゅつげいじゅつとしてのせいめいのしょどう", "ソート用読み": "ひしゆつけいしゆつとしてのせいめいのしよとう", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 728", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2020-09-05T00:00:00", "最終更新日": "2020-08-28T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/00... | 0.761 | 0.609 | 0.2 | 0.447 | 1 | Expert | 3,691 | 0.320238 | 58.322581 | 6.383249 | 0.303586 | 0.882403 | 1.539199 | 0.001897 | 0.246062 | 3,302.444329 | 0.447033 | 7.611439 |
心のおもむくままに、いつも美味いものを食って、心の底から楽しんでみたい。朝も昼も晩も。犬や猫のように、宛てがい扶持の食事に、その日その日をつづけることは、肉体は生きられるとしても、心の楽しみにはならない。心に楽しむ料理なんて考えても縁遠い。食って生きて行きさえすれば、それで結構なんだ。安価で栄養価値のあるもの、それで充分じゃないか、今の世の中はと。エネルギーのない多くの人々はこれを常識として、栄養不良というやくざ人間をつくり出している。これが当世らしい。心に楽しむ余裕を持っていないのだろう。持っていても、極めて消極的で、あさはかなものらしい。
カロリー、ビタミンを一々気にする料理は、実を言うと栄養薬であることに気がつかない。だか... | 底本:「魯山人味道」中公文庫、中央公論社
1980(昭和55)年4月10日初版発行
1995(平成7)年6月18日改版発行
2008(平成20)年5月15日改版14刷発行
入力:門田裕志
校正:仙酔ゑびす
2013年5月14日作成
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| {"作品ID": "054981", "作品名": "美食多産期の腹構え", "作品名読み": "びしょくたさんきのはらがまえ", "ソート用読み": "ひしよくたさんきのはらかまえ", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 596", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2013-07-12T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-16T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/card54981.html"... | 0.547 | 0.622 | 0.221 | 0.222 | 0.536 | Intermediate | 1,574 | 0.285896 | 32.891304 | 6.604444 | 0.365325 | 0.928889 | 1.624355 | 0.027319 | 0.245065 | 450.227316 | 0.222363 | 5.46582 |
今さら事新しく問題にするのも、チトおかしいようだが、料理も考え方によっては、こんなことが言えるかも知れない。
「お惣菜料理」とは手の込む工夫を一切排除して、その上、なるべく安易に入手できる安価な食品材料を選び、口に充分なよろこびを与え、栄養という流行語にも当てはまるよう考慮して拵えるのが、今の人のお惣菜料理である。
これとは全く世界を別にし、多くの庶民にはなんの関係もないようなものが高級料理と言うもので、いわゆる料理屋の料理である。この世界では、もとより手の込む工夫を少しも意とせず、材料の高い安いも問題とせず、原料を美化して、まず眼から楽しませ、耳を鼻を口をと、人の心を和やかにする。もちろん、これにも段階があって、一人分千円以上... | 底本:「魯山人味道」中公文庫、中央公論社
1980(昭和55)年4月10日初版発行
1995(平成7)年6月18日改版発行
2008(平成20)年5月15日改版14刷発行
入力:門田裕志
校正:仙酔ゑびす
2013年5月14日作成
青空文庫作成ファイル:
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| {"作品ID": "054982", "作品名": "美食と人生", "作品名読み": "びしょくとじんせい", "ソート用読み": "ひしよくとしんせい", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 596", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2013-07-12T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-16T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/card54982.html", "人物ID": "001... | 0.667 | 0.646 | 0.209 | 0.322 | 0.842 | Advanced | 1,554 | 0.324324 | 48.612903 | 6.732143 | 0.353353 | 0.950397 | 1.555556 | 0.004505 | 0.239528 | 555.011446 | 0.32175 | 6.66823 |
美味談も考えてみるとなかなか容易ではない。前に木下の『美味求真』、大谷光瑞の『食』、村井弦斎の『食道楽』、波多野承五郎の『食味の真髄を探る』、大河内正敏の『味覚』など、それぞれ一家の言を表わしてはいるものの、実際、美味問題になると、いずれも表わし得たりと学ぶに足るほどのものではない。
おのおの美味道楽の体験に貧困が窺えて敬読に価しない恨みがある。というのは、料理を作る力の経験を欠くところから、ものの見方、考え方が、皮相に終わってしまって物足りないのである。また一面、先天的素質にものいうものがないため、という理由もあろう。それに第一、美に感心がうすい。
いずれにしても、食いもの話はあまりにも広く深いので、軽々に論じ切れるものでは... | 底本:「魯山人の美食手帖」グルメ文庫、角川春樹事務所
2008(平成20)年4月18日第1刷発行
底本の親本:「魯山人著作集 第三巻 料理論集」五月書房
1980(昭和55)年12月30日初版第1刷発行
1993(平成5)年5月12日新装改訂版発行
初出:「芸術新潮」
1954(昭和29)年1月号
※初出時の表題は「美食五十年の体験」です。
入力:門田裕志
校正:noriko saito
2009年12月3日作成
2017年11月10日修正
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは... | {"作品ID": "049998", "作品名": "美食七十年の体験", "作品名読み": "びしょくななじゅうねんのたいけん", "ソート用読み": "ひしよくななしゆうねんのたいけん", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "「芸術新潮」1954(昭和29)年1月号", "分類番号": "NDC 596", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2010-01-02T00:00:00", "最終更新日": "2017-11-10T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards... | 0.587 | 0.634 | 0.227 | 0.452 | 0.625 | Advanced | 1,661 | 0.296207 | 36.409091 | 6.691057 | 0.355599 | 0.945122 | 1.631631 | 0.00602 | 0.269412 | 541.514463 | 0.451535 | 5.873925 |
陶器は絵の描かれたものが大部分である。ところが、少数ではあるが、絵の描いてない陶器が日本には縄文、弥生や、陶器とは言えないが埴輪がある。これらに類似して、なんら絵をほどこさず、しかも、釉も掛けない陶器に備前焼がある。無釉陶の中でも、群を抜いて美しいのが、この備前焼である。古備前を見ても、またどんな陶器を見ても、人と時代の力で、秀れた陶器を数多く見るが、この備前焼の特徴は、なんと言っても、土そのものが世界に類なきものである。
土に変化があり、味わいがある。備前は火と土の微妙な関連によって、間然するところなき美をもたらす。
渋い奥行きのある色は、単なる手芸の域では、もはや出すことはできない。一にかかって作家の芸術的才能の問題である... | 底本:「魯山人陶説」中公文庫、中央公論新社
1992(平成4)年5月10日初版発行
2008(平成20)年11月25日12刷発行
底本の親本:「魯山人陶説」東京書房社
1975(昭和50)年3月
入力:門田裕志
校正:木下聡
2018年2月25日作成
青空文庫作成ファイル:
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| {"作品ID": "055084", "作品名": "備前焼", "作品名読み": "びぜんやき", "ソート用読み": "ひせんやき", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 751", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2018-03-23T00:00:00", "最終更新日": "2018-02-25T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/card55084.html", "人物ID": "001403", "姓":... | 0.506 | 0.629 | 0.236 | 0.745 | 0.658 | Intermediate | 470 | 0.331915 | 37.5 | 6.544872 | 0.436893 | 0.916667 | 1.521036 | 0 | 0.273712 | 589.083333 | 0.744681 | 5.059866 |
どじょうなべ。美味くて、安くて、栄養価があって、親しみがあり、家庭でも容易にでき、万事文句なしのもの。ただし、貴族的ではない。これがどこへ行っても歓迎を受けているのは、もっともな話である。
なべものは一般に冬のものと決まっているところへ、こればかりは夏のものであることも、大方の興を呼ぼう。東京では、どじょうなべというより「柳川」というほうが通りがいい。なぜ柳川という名称が生じたか。
古老の話によると、幕末のころ、日本橋通一丁目辺に「柳川屋」という店があり、ここでかつて見たこともない「どじょうなべ」なるものを食わした。幸いそれが当たって、江戸中の評判となり、いつとはなしに、どじょうなべのことを柳川というようになった。これが柳川の... | 底本:「魯山人の食卓」グルメ文庫、角川春樹事務所
2004(平成16)年10月18日第1刷発行
2008(平成20)年4月18日第5刷発行
底本の親本:「魯山人著作集」五月書房
1993(平成5)年発行
初出:「朝日新聞」
1938(昭和13)年
入力:門田裕志
校正:仙酔ゑびす
2010年1月14日作成
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| {"作品ID": "049997", "作品名": "一癖あるどじょう", "作品名読み": "ひとくせあるどじょう", "ソート用読み": "ひとくせあるとしよう", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "「朝日新聞」1938(昭和13)年", "分類番号": "NDC 596", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2010-02-06T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-21T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/card499... | 0.467 | 0.599 | 0.229 | 0.453 | 0.678 | Intermediate | 1,324 | 0.245468 | 41.096774 | 6.495385 | 0.347561 | 0.910769 | 1.614634 | 0.003021 | 0.282574 | 444.603538 | 0.453172 | 4.667816 |
書相は、よくその人の価値を表現する。端的にいって、いかにしたら書相によって人の価値を見分けるか?
人品良き者は品良き書を、下品なる者は下等なる書を、強き個性を有する者は、強靭なる書を、個性軟弱なる者は、その線極めて脆弱にて、筆力剛健ではない。胆力備わった者は、自ずから天衣無縫といった大型の筆跡を残すことは、幾多の歴史的事実が示すところである。また、心小にして胆大なる者は、余すところなく用意周到、かつ、強靭な書相を示している。
世に俗物として遇せられ、俗悪なる趣味に生きる者がある。明治以降にその俗書を求める時、俗悪とはいわないまでも西郷隆盛の如きは、優雅なる書とは認め難い。ほぼ似たような筆跡ではあるが、山岡鉄舟の書は俗悪に数えら... | 底本:「魯山人書論」中公文庫、中央公論社
1996(平成8)年9月18日初版発行
2007(平成19)年9月25日3刷発行
底本の親本:「魯山人書論」五月書房
1980(昭和55)年5月
入力:門田裕志
校正:きゅうり
2019年4月26日作成
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| {"作品ID": "055064", "作品名": "人と書相", "作品名読み": "ひととしょそう", "ソート用読み": "ひととしよそう", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 728", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2019-05-27T00:00:00", "最終更新日": "2019-04-26T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/card55064.html", "人物ID": "001403",... | 0.577 | 0.629 | 0.228 | 0.394 | 0.651 | Advanced | 1,141 | 0.361963 | 37.896552 | 6.452785 | 0.370421 | 0.895884 | 1.548168 | 0.007011 | 0.280747 | 541.678954 | 0.394391 | 5.770253 |
上京の頃
僕が初めて東京に出て来た年少時に、京橋のビアホールになにか祝いごとがあってね。ビールが半額なんだ。飲んでやろうと思って行ったが、まず洋食を食おうと思ってね。ところがその時は洋食のことはなにも分らん。ビフテキといっても、それが野菜だか肉だか飲物だか分らん。どうしようかと思って、そこで考えたね。隣のテーブルで命じたものの名前を覚えておいて、その品物が来るのを一生懸命我慢して待っておった。ところが持って来たものがもしかして、前に命じたものを持って来たんじゃないかしらなんて心配してね、用意周到なことだ。とにかくビフテキを注文したがもしかして変なものを持って来たらば逃げ出そうと思っていたら、隣のと同じものを持って来... | 底本:「魯山人の美食手帖」グルメ文庫、角川春樹事務所
2008(平成20)年4月18日第1刷発行
底本の親本:「魯山人著作集」五月書房
1993(平成5)年発行
初出:「星岡」
1935(昭和10)年
入力:門田裕志
校正:noriko saito
2009年12月4日作成
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| {"作品ID": "049999", "作品名": "美味放談", "作品名読み": "びみほうだん", "ソート用読み": "ひみほうたん", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "「星岡」1935(昭和10)年", "分類番号": "NDC 596", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2010-01-08T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-21T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/card49999.html", "人物I... | 0.515 | 0.594 | 0.163 | 0.089 | 0.519 | Intermediate | 7,889 | 0.230828 | 33.442478 | 6.498078 | 0.185904 | 0.906645 | 1.561869 | 0.016986 | 0.20584 | 362.963505 | 0.088731 | 5.147782 |
「まずいものを、なんとかしてうまく食う方法を教えてくれ」という注文がときどぎ来るが、まずいものをうまくする……そんな秘法は絶対にない。魔術もなかろう。まずい米は所詮まずい。肉も魚類も菜もみな同様であって、一歩も動くものではない。しかし、うまそうにゴマ化す手はある。それは偽りの美味であって、本来の美味ではない。インチキで小児を騙す手はある。こう答えるよりほかはない。
料理する者なら工夫がありそうにも考えられるのであるが、実はまったく不可能という他ないであろう。「まずいものをうまくする」ことは、どんな料理の名人といえども、なし得るものではない。
無理に工夫すれば、冗費と無駄手間をついやし、労多くして功少なしに終わるまでである。
元... | 底本:「魯山人著作集 第三巻」五月書房
1980(昭和55)年12月30日
入力:江村秀之
校正:木下聡
2021年2月26日作成
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| {"作品ID": "059650", "作品名": "美味論語", "作品名読み": "びみろんご", "ソート用読み": "ひみろんこ", "副題": "――まずいものはなんとしてもうまくならぬ――", "副題読み": "――まずいものはなんとしてもうまくならぬ――", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 596", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2021-03-23T00:00:00", "最終更新日": "2021-02-26T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/0... | 0.495 | 0.6 | 0.21 | 0.475 | 0.562 | Intermediate | 1,052 | 0.217681 | 34.965517 | 6.593886 | 0.339506 | 0.925764 | 1.623457 | 0.007605 | 0.236446 | 418.516052 | 0.475285 | 4.946259 |
ふぐを恐ろしがって食わぬ者は、「ふぐは食いたし命は惜しし」の古諺に引っかかって味覚上とんだ損失をしている。その論拠の価値をきわめもせずに、うかうか古諺に釣り込まれ惜しくも無知的判断から、いやいや常識的判断から震え上がりその実、常識を失っている。
これらにむかってわれわれが冬季常食する天下唯一の美味、摩訶不思議の絶味であるふぐの料理が、いささかの危険性なき事実を諄々力説してみても、その確実を容易に信じようとはしない。いわゆる先入主に囚われて頑として動こうとしない。
ふぐというもの、いかんせん人命を奪う毒素があり、例えば十中の三位は確実に中毒しまったく命にかかわると決まっているときにこそ「ふぐは食いたし命は惜しし」が岐路に立って迷... | 底本:「魯山人の美食手帖」グルメ文庫、角川春樹事務所
2008(平成20)年4月18日第1刷発行
底本の親本:「魯山人著作集」五月書房
1993(平成5)年発行
初出:「星岡」
1935(昭和10)年
入力:門田裕志
校正:noriko saito
2009年12月4日作成
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| {"作品ID": "050000", "作品名": "河豚食わぬ非常識", "作品名読み": "ふぐくわぬひじょうしき", "ソート用読み": "ふくくわぬひしようしき", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "「星岡」1935(昭和10)年", "分類番号": "NDC 596", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2010-01-14T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-21T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/card500... | 0.718 | 0.623 | 0.208 | 0.345 | 1 | Advanced | 2,321 | 0.285222 | 53.714286 | 6.619335 | 0.325419 | 0.930514 | 1.62081 | 0.001723 | 0.240369 | 1,987.013605 | 0.344679 | 7.181368 |
河豚のうまさ
ふぐのうまさというものは実に断然たるものだ、と私は言い切る。これを他に比せんとしても、これに優る何物をも発見し得ないからだ。
ふぐのうまさというものは、明石鯛がうまいの、ビフテキがうまいのという問題とはてんで問題が違う。調子の高いなまこやこのわたを持ってきても駄目だ。すっぽんはどうだと言ってみても問題が違う。フランスの鴨の肝だろうが、蝸牛だろうが、比較にならない。もとより、てんぷら、うなぎ、寿司などの問題ではない。
無理かも知れぬが、試みに画家に例えるならば、栖鳳や大観のうまさではない。靫彦、古径でもない。芳崖、雅邦でもない。華山、竹田、木米でもない。呉春あるいは応挙か。ノー。しからば大雅か、蕪村か、玉堂か、ま... | 底本:「春夏秋冬 料理王国」ちくま文庫、筑摩書房
2010(平成22)年1月10日第1刷発行
底本の親本:「春夏秋冬 料理王国」淡交新社
1960(昭和35)年2月25日発行
初出:「星岡 二十七号」星岡窯研究所
1933(昭和8)年2月
入力:江村秀之
校正:栗田美恵子
2020年10月28日作成
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| {"作品ID": "059655", "作品名": "河豚のこと", "作品名読み": "ふぐのこと", "ソート用読み": "ふくのこと", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "「星岡\u3000二十七号」星岡窯研究所、1933(昭和8)年2月", "分類番号": "NDC 596", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2020-11-27T00:00:00", "最終更新日": "2020-10-31T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/card... | 0.472 | 0.629 | 0.202 | 0.245 | 0.491 | Intermediate | 2,853 | 0.274798 | 30.606742 | 6.716837 | 0.279082 | 0.946429 | 1.522412 | 0.009814 | 0.264618 | 436.036359 | 0.245356 | 4.720894 |
ふぐの美味さというものは実に断然たるものだ――と、私はいい切る。これを他に比せんとしても、これに優る何物をも発見し得ないからだ。
ふぐの美味さというものは、明石だいが美味いの、ビフテキが美味いのという問題とは、てんで問題がちがう。調子の高いなまこやこのわたをもってきても駄目だ。すっぽんはどうだといってみても問題がちがう。フランスの鵞鳥の肝だろうが、蝸牛だろうが、比較にならない。もとよりてんぷら、うなぎ、すしなど問題ではない。
無理かも知れぬが、試みに画家に例えるならば、栖鳳や大観の美味さではない。靫彦、古径でもない。芳崖、雅邦でもない。崋山、竹田、木米でもない。呉春あるいは応挙か。ノー。しからば大雅か蕪村か玉堂か。まだまだ。で... | 底本:「魯山人の食卓」グルメ文庫、角川春樹事務所
2004(平成16)年10月18日第1刷発行
2008(平成20)年4月18日第5刷発行
底本の親本:「魯山人著作集」五月書房
1993(平成5)年発行
初出:「星岡」
1935(昭和10)年
入力:門田裕志
校正:仙酔ゑびす
2010年1月14日作成
2012年5月17日修正
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| {"作品ID": "050001", "作品名": "河豚は毒魚か", "作品名読み": "ふぐはどくぎょか", "ソート用読み": "ふくはとくきよか", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "「星岡」1935(昭和10)年", "分類番号": "NDC 596", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2010-02-06T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-21T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/card50001.html"... | 0.472 | 0.629 | 0.204 | 0.257 | 0.499 | Intermediate | 3,109 | 0.273721 | 30 | 6.721504 | 0.280988 | 0.948296 | 1.535309 | 0.012223 | 0.266521 | 497.979798 | 0.257317 | 4.7202 |
ある日、ある女人と、こんな話をした。
「先生、料理をするときの心がけについて話していただけませんでしょうか」
「なるほど、君はなかなかいいことを聞くね。方法を聞かずに、心がけを聞くところに見どころがあるね。それはね、まず、親切ということだ。親切を欠くなということだ」
「ハイ、親切を欠くな……でございますか」
「そうだ、真心だね。こんな話がある。あるひとが別荘にいた。別荘にも、いろいろあるが、あまり、ありがたくない別荘だよ」
「まあ申せば小菅のようなところですの」
「うむ、君はなかなかもの分りがいいな。つまり、そうした別荘だよ。そこでだ、その別荘に、毎日差し入れがくる。弁当がとどけられるのだな。日々いろいろのひとから、差し入れ弁当が... | 底本:「魯山人の美食手帖」グルメ文庫、角川春樹事務所
2008(平成20)年4月18日第1刷発行
底本の親本:「魯山人著作集」五月書房
1993(平成5)年発行
初出:「独歩」
1953(昭和28)年
入力:門田裕志
校正:noriko saito
2009年12月4日作成
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| {"作品ID": "050002", "作品名": "筆にも口にもつくす", "作品名読み": "ふでにもくちにもつくす", "ソート用読み": "ふてにもくちにもつくす", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "「独歩」1953(昭和28)年", "分類番号": "NDC 596", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2010-01-14T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-21T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/card50... | 0.4 | 0.579 | 0.208 | 0.168 | 0.727 | Intermediate | 2,380 | 0.172269 | 34.41791 | 6.526829 | 0.230718 | 0.907317 | 1.582447 | 0.010504 | 0.29299 | 1,159.049231 | 0.168067 | 3.998038 |
フランス料理の声価は、世界第一のごとく誇大に評判され、半世紀以上に渉って、われわれ日本人を信じさせてきた。フランスに派遣された役人たちによってである。考えてみると、だいたいみながみな若輩で、もとより日本料理というものが、今までにどんなに発達してきているか、てんで知る由もない連中ばかりであったからだ、とわれわれが想像して慨歎するのも、あながち誤りではなさそうである。
上は大使、公使、下は貧乏画家青年、その皆が日本美食を通暁するはずのないことはいうまでもない。日本料理の真価というものがどこにあるか、ぶつかったこともなければ、気にもんだこともなさそうなひとたちばかりである。その若人によって、むやみと誇大に、フランス料理は日本人に宣伝さ... | 底本:「魯山人の美食手帖」グルメ文庫、角川春樹事務所
2008(平成20)年4月18日第1刷発行
底本の親本:「魯山人著作集」五月書房
1993(平成5)年発行
初出:「芸術新潮」
1954(昭和29)年
入力:門田裕志
校正:noriko saito
2009年12月4日作成
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| {"作品ID": "050019", "作品名": "フランス料理について", "作品名読み": "フランスりょうりについて", "ソート用読み": "ふらんすりようりについて", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "「芸術新潮」1954(昭和29)年", "分類番号": "NDC 596", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2010-01-23T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-21T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/c... | 0.49 | 0.628 | 0.208 | 0.687 | 0.501 | Intermediate | 2,038 | 0.262022 | 33.254237 | 6.743446 | 0.308235 | 0.953184 | 1.598431 | 0.042198 | 0.243612 | 314.054007 | 0.686948 | 4.902016 |
美味談も考えてみるとなかなか容易ではない。前に木下の『美味求真』、大谷光瑞の『食』、村井弦斎の『食道楽』、波多野承五郎の『食味の真髄を探る』、大河内正敏の『味覚』など、それぞれ一家の言を表わしてはいるものの、実際、美味問題になると、いずれも表わし得たりと学ぶに足るほどのものはない。
各々美味道楽の体験に貧困が窺えて敬読に価いしない恨みがある。というのは、料理を作る力の経験を欠くところから、ものの見方考え方が、皮相に終ってしまって物足りないのである。また一面、先天的素質にもの言うものがないため、という理由もあろう。それに第一、美に関心がうすい。
いずれにしても、食いもの話はあまりにも広く深いので、軽々に論じ切れるものではないよう... | 底本:「春夏秋冬 料理王国」ちくま文庫、筑摩書房
2010(平成22)年1月10日第1刷発行
底本の親本:「春夏秋冬 料理王国」淡交新社
1960(昭和35)年2月25日発行
初出:「芸術新潮」
1954(昭和29)年1月号
※「木下」は底本では「木下〔謙次郎〕」です。
入力:江村秀之
校正:栗田美恵子
2020年11月27日作成
青空文庫作成ファイル:
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| {"作品ID": "059656", "作品名": "不老長寿の秘訣", "作品名読み": "ふろうちょうじゅのひみつ", "ソート用読み": "ふろうちようしゆのひみつ", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "「芸術新潮」1954(昭和29)年1月号", "分類番号": "NDC 596", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2020-12-21T00:00:00", "最終更新日": "2020-11-27T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/c... | 0.593 | 0.644 | 0.224 | 0.462 | 0.602 | Advanced | 1,625 | 0.323692 | 35.590909 | 6.711027 | 0.361138 | 0.948669 | 1.594701 | 0.006154 | 0.26751 | 514.241736 | 0.461538 | 5.932351 |
銀座松屋に十月中、明治大正の文士の墨蹟及び遺品の展観が催された。小生は「人」の価値を見るに常に墨蹟によって判断する事を得意とする。人の評判や世間の噂では間違いが多いことがあるので、自分は人を見ることは、必ず墨蹟に拠ることにしている。墨蹟とは主に「書」である。画でも判らないことはないが、書で見ることが一番である。
昔から有名な人物はもちろん、その時々に生まれ出ずる有名な人物、流行児などについて、その真価を見極めることは、その人の筆蹟に拠り判ずることが小生としては、一番慥かな方法であって、人心、人格、人品などの観破術として、以前からこれを用いているのであって、従来の経験に徴して百発九十五中ぐらいの率で成績を挙げている。
書といって... | 底本:「魯山人書論」中公文庫、中央公論新社
1996(平成8)年9月18日初版発行
2007(平成19)年9月25日3刷発行
底本の親本:「魯山人書論」五月書房
1980(昭和55)年5月
入力:門田裕志
校正:木下聡
2020年7月27日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(https://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
| {"作品ID": "055065", "作品名": "墨蹟より見たる明治大正の文士", "作品名読み": "ぼくせきよりみたるめいじたいしょうのぶんし", "ソート用読み": "ほくせきよりみたるめいしたいしようのふんし", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 728 910", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2020-08-10T00:00:00", "最終更新日": "2020-07-27T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards... | 0.614 | 0.637 | 0.195 | 0.585 | 0.828 | Advanced | 3,932 | 0.327823 | 40.147368 | 6.637704 | 0.275581 | 0.932506 | 1.524031 | 0.002543 | 0.250788 | 1,445.578283 | 0.584944 | 6.140452 |
古美術界では、とかく掘出しが流行する。なんとか安く買って高く売りつけ、あわよくば千金、万金を一挙にせしめようという悪い傾向がある。
掘出しというそのことに熱中してはいけない。ものそのものの芸術味に興味をもつことはよいが、利欲のための掘出しは既に不純なものがあって、身心の上にも害毒を流すものである。これを名付けて俗欲という。俗欲に耽ることは大いに警戒すべきである。
この掘出し主義は、遂に人の持っているもの、愛玩しているものでも欲しくなり、これをなんとかして取り出すことに興味をもつようになる。そこには色々な無理も生じてくるのである。
それよりも、世間並の相場で、堂々と物を買うという方が、どれだけよいか知れない。これは確かに身心の... | 底本:「魯山人陶説」中公文庫、中央公論新社
1992(平成4)年5月10日初版発行
2008(平成20)年11月25日12刷発行
底本の親本:「魯山人陶説」東京書房社
1975(昭和50)年3月
入力:門田裕志
校正:木下聡
2019年12月27日作成
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| {"作品ID": "055114", "作品名": "掘出しは病気の元", "作品名読み": "ほりだしはびょうきのもと", "ソート用読み": "ほりたしはひようきのもと", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 704", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2020-01-15T00:00:00", "最終更新日": "2019-12-27T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/card55114.html", "人物... | 0.556 | 0.617 | 0.21 | 0.771 | 0.393 | Advanced | 778 | 0.275064 | 28.461538 | 6.593458 | 0.373518 | 0.925234 | 1.537549 | 0.005141 | 0.235471 | 233.556213 | 0.771208 | 5.563765 |
たい茶漬けは世間に流布され、その看板をかけている料理屋さえ出来てきた。関西ではもちろんのこと、東京でも近来よく見かけるようになった。また、家庭にも侵入して、実際に試みられるようにさえなっている。それなのに、たいより簡単で、美味いまぐろの茶漬けが用いられていないのは、ふしぎな気がする。
たいは関西がよく、まぐろは東京がいい。
その意味からいっても、東京は、たい茶漬けよりまぐろの茶漬けを用いてしかるべきであろう。
東京に、もし京阪のような食道楽が発達していたら、おそらく、今日までまぐろの茶漬けを見逃してはいなかったであろう。そういう私も、まぐろの茶漬けは京都で覚えたもので、東京人から教わったものではなかった。今後の東京人は、たい... | 底本:「魯山人の食卓」グルメ文庫、角川春樹事務所
2004(平成16)年10月18日第1刷発行
2008(平成20)年4月18日第5刷発行
底本の親本:「魯山人著作集」五月書房
1993(平成5)年発行
初出:「星岡」
1932(昭和7)年
入力:門田裕志
校正:仙酔ゑびす
2010年1月14日作成
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| {"作品ID": "050003", "作品名": "鮪の茶漬け", "作品名読み": "まぐろのちゃづけ", "ソート用読み": "まくろのちやつけ", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "「星岡」1932(昭和7)年", "分類番号": "NDC 596", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2010-02-02T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-21T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/card50003.html", ... | 0.445 | 0.637 | 0.21 | 0.416 | 0.443 | Intermediate | 2,284 | 0.260508 | 31.897059 | 6.833613 | 0.256823 | 0.969748 | 1.598321 | 0.005254 | 0.283355 | 197.945285 | 0.415937 | 4.452998 |
東京ほどまぐろを食うところはあるまい。夏場、東京魚河岸で扱うまぐろは一日約一千尾という。秋よりこれからの冬に約三百尾を売りさばくというのであるから、東京のまぐろ好きが想像されようというもの。夏場の千尾は、つまり夏漁が多いのであって、冬の三百尾は冬の漁獲がそれだけなのである。冬は夏の三分の一より漁獲がないのである。そうして、これらの産地は全部を北海道といってよい。
去年の夏のことだが、北海道の漁場で一尾の価一円でなお取り引きがなかったという。東京の刺身一人前一円と較べては、たいへんな開きである。もちろん、一尾一円は肥料の値段である。もっとも春二月より五、六月ごろまでは、九州種子島方面から相当に入荷があるようであるが、これは質がわる... | 底本:「魯山人の食卓」グルメ文庫、角川春樹事務所
2004(平成16)年10月18日第1刷発行
2008(平成20)年4月18日第5刷発行
底本の親本:「魯山人著作集」五月書房
1993(平成5)年発行
初出:「星岡」
1930(昭和5)年
入力:門田裕志
校正:仙酔ゑびす
2009年12月4日作成
青空文庫作成ファイル:
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| {"作品ID": "050004", "作品名": "鮪を食う話", "作品名読み": "まぐろをくうはなし", "ソート用読み": "まくろをくうはなし", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "「星岡」1930(昭和5)年", "分類番号": "NDC 596", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2010-01-29T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-21T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/card50004.html"... | 0.519 | 0.595 | 0.199 | 0.697 | 0.805 | Intermediate | 4,160 | 0.239183 | 44.911111 | 6.472362 | 0.243846 | 0.907538 | 1.6 | 0.005529 | 0.262531 | 646.925432 | 0.697115 | 5.192136 |
すべての物は天が造る。天日の下新しきものなしとはその意に外ならぬ。人はただ自然をいかに取り入れるか、天の成せるものを、人の世にいかにして活かすか、ただそれだけだ。しかも、それがなかなか容易な業ではない。多くの人は自然を取り入れたつもりで、これを破壊し、天成の美を活かしたつもりで、これを殺している。たまたま不世出の天才と言われる人が、わずかに自然界を直視し、天成の美を掴み得るに過ぎないのだ。
だから、われわれはまずなによりも自然を見る眼を養わなければならぬ。これなくしては、よい芸術は出来ぬ。これなくしては、よい書画も出来ぬ。絵画然り、その他、一切の美、然らざるなしと言える。
仮りに私の食道楽から言っても、ここに一本の大根があっ... | 底本:「魯山人味道」中公文庫、中央公論社
1980(昭和55)年4月10日初版発行
1995(平成7)年6月18日改版発行
2008(平成20)年5月15日改版14刷発行
入力:門田裕志
校正:仙酔ゑびす
2013年5月14日作成
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| {"作品ID": "054983", "作品名": "味覚の美と芸術の美", "作品名読み": "みかくのびとげいじゅつのび", "ソート用読み": "みかくのひとけいしゆつのひ", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 596", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2013-07-17T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-16T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/card54983.html", ... | 0.607 | 0.626 | 0.182 | 0.662 | 0.814 | Advanced | 5,063 | 0.281454 | 43.758929 | 6.66386 | 0.217605 | 0.935439 | 1.558326 | 0.006123 | 0.241197 | 745.71867 | 0.661663 | 6.068682 |
美味い不味いは栄養価を立証する。
*
天然の味に優る美味なし。
*
現今の料理は美趣味が欠如している。
*
料理つくるも年齢、食う好みも年齢。
*
料理をつくる者は、つとめて価値ある食器に関心を有すべし。
*
高級食器、美器をつくらんとするものは、美食に通ずべし。
*
栄養価値充分にして美味にあらざるものは断じてない。美味なれば必ず栄養が存する。
*
味覚は体験に学ぶ以外に道はない。良体験をもったものは、よい料理ができ、よい味覚がそなわり、幸せであり、美味いもの食いの資格が高い。
*
現在、純日本料理はないであろう。
*
料... | 底本:「魯山人の食卓」グルメ文庫、角川春樹事務所
2004(平成16)年10月18日第1刷発行
2008(平成20)年4月18日第5刷発行
底本の親本:「魯山人著作集」五月書房
1993(平成5)年発行
入力:門田裕志
校正:仙酔ゑびす
2010年1月14日作成
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| {"作品ID": "050005", "作品名": "味覚馬鹿", "作品名読み": "みかくばか", "ソート用読み": "みかくはか", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 596", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2010-02-06T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-21T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/card50005.html", "人物ID": "001403", "姓"... | 0.456 | 0.623 | 0.201 | 0.354 | 0.517 | Intermediate | 9,315 | 0.26087 | 33.085271 | 6.694239 | 0.205704 | 0.942798 | 1.660428 | 0.012882 | 0.273412 | 377.302806 | 0.354267 | 4.55675 |
先日、ある雑誌記者来訪、「ものを美味く食うにはどうすればいいか」とたずねた。
世の中には、ずいぶん無造作に愚問を発する輩があるものだ。思うにこういうふうなものの聞き方をする連中は、その実、料理など心から聞きたいわけではないに決っている。お役目で人の話を聞こうとするが、もとより真から聞きたいのではない。そこで私は言下に「空腹にするのが一番だ」と答えてみた。その男は、しばし二の句が継げずにいた。
また、これも似たような話であるが、ある時、一流料理人を求めた際、メンタルテストをして、君の好きなものはなにか? と、質問してみた。すると、ただ漠然と「さかなが好きです」と答えた。
専門の一流料理職人が、こういうことでは困る。得てして料理... | 底本:「魯山人味道」中公文庫、中央公論社
1980(昭和55)年4月10日初版発行
1995(平成7)年6月18日改版発行
2008(平成20)年5月15日改版14刷発行
入力:門田裕志
校正:仙酔ゑびす
2013年5月14日作成
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| {"作品ID": "054984", "作品名": "道は次第に狭し", "作品名読み": "みちはしだいにせまし", "ソート用読み": "みちはしたいにせまし", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 596", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2013-07-17T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-16T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/card54984.html", "人物ID": ... | 0.521 | 0.609 | 0.181 | 0.439 | 0.565 | Intermediate | 5,127 | 0.245953 | 36.176471 | 6.602696 | 0.215446 | 0.92387 | 1.571253 | 0.008192 | 0.23583 | 355.395329 | 0.438853 | 5.207449 |
良寛様のようなずばぬけた書を、我々如きが濫りに批評するなどは、僭越に過ぎるかも知れぬが、常々良寛様に親しみと尊敬とを持っている一人として、感ずるところを、一応述べさせて貰うことにする。
良寛様の書は質からいっても、外貌からいっても、実に稀にみるすばらしい良能の美書であって、珍しくも、正しい嘘のない姿である。いわゆる真善美を兼ね具えたものというべきであろう。かような良能の美書の生まれたのは、良寛様その人の人格が勝れて立派であったからである。書には必ず人格が反映しているもので、人格が反映していない人格以上の書の生まれ出ることなど、まずもってあり得ない。
良寛様の書は、良寛様のあの人となりにして、初めて生まれたものなのである。今一方... | 底本:「魯山人書論」中公文庫、中央公論新社
1996(平成8)年9月18日初版発行
2007(平成19)年9月25日3刷発行
底本の親本:「魯山人書論」五月書房
1980(昭和55)年5月
入力:門田裕志
校正:木下聡
2020年12月27日作成
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| {"作品ID": "055066", "作品名": "魅力と親しみと美に優れた良寛の書", "作品名読み": "みりょくとしたしみとびにすぐれたりょうかんのしょ", "ソート用読み": "みりよくとしたしみとひにすくれたりようかんのしよ", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 728", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2021-01-06T00:00:00", "最終更新日": "2020-12-27T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/c... | 0.632 | 0.623 | 0.197 | 0.768 | 0.946 | Advanced | 3,972 | 0.319486 | 53.694444 | 6.529551 | 0.262169 | 0.910165 | 1.522422 | 0.000504 | 0.263346 | 820.906636 | 0.767875 | 6.31576 |
染付は今から五百年ばかり前の支那明代に完成したものである。それ迄にはこんなスキツとした美しい焼物は実に見たくも見られなかつたと言ふべきだ。これには恐らく間違ひはないといつてよい。
然らばそれまでにどんな焼物が生れてゐたかと言ふに、先づ漢窯から唐三彩、それから宋になつては青磁だとか赤絵だとか、又は中には鉅鹿といふ頗るつきの名陶器もあつたのであるが、此等は何れも概してその作意が重く、釉類釉法も亦決して無審判ではなかつたが、然し新生の染付のやうに腹の底をわつて見せたといふ処へは、まだなかなか行く事が出来なかつた。
染付が初めて完成してその顔を見せた時、当時の支那の人はこれをどんなに驚き且つ喜んで迎へたであらう。それ迄とて何れはどこか... | 底本:「魯山人陶説」中公文庫、中央公論新社
1992(平成4)年5月10日初版発行
2008(平成20)年11月25日12刷発行
底本の親本:「魯山人陶説」東京書房社
1975(昭和50)年3月
入力:門田裕志
校正:木下聡
2019年6月28日作成
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| {"作品ID": "055104", "作品名": "「明の古染付」観", "作品名読み": "「みんのこそめつけ」かん", "ソート用読み": "みんのこそめつけかん", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 751", "文字遣い種別": "新字旧仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2019-07-14T00:00:00", "最終更新日": "2019-06-28T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/card55104.html", "人物ID... | 0.703 | 0.642 | 0.19 | 0.38 | 1 | Advanced | 5,003 | 0.330002 | 62.5 | 6.681405 | 0.247045 | 0.941248 | 1.478428 | 0.013992 | 0.259358 | 2,206.660256 | 0.379772 | 7.033354 |
生かすことは殺さないことである。生かされているか殺されているかを見分ける力が料理人の力であらねばならぬ。神様が人間に下し給うたとみるべき人間食物の個々の持ち味は、残念でも年を経るに従って、人間の猪口才がすべてを亡ぼしつつあるようだ。
例えば砂糖の乱用が、おのおの持つところの異なった「味」を破壊し、本質を滅茶苦茶にしている如き、それである。砂糖さえ入れれば美味いとする今の料理は、極端に味覚の低下を示している。砂糖や「味の素」類品の跋扈に拍車をかけているのは、料理する者の無定見である。この無定見が、味覚を無神経にし、天然自然によって与えられている個々の美しき「味」に盲目となり、「味」を心に楽しむ世界から葬り去っている。従って、通り一... | 底本:「魯山人味道」中公文庫、中央公論社
1980(昭和55)年4月10日初版発行
1995(平成7)年6月18日改版発行
2008(平成20)年5月15日改版14刷発行
入力:門田裕志
校正:仙酔ゑびす
2013年5月14日作成
青空文庫作成ファイル:
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| {"作品ID": "054985", "作品名": "持ち味を生かす", "作品名読み": "もちあじをいかす", "ソート用読み": "もちあしをいかす", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 596", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2013-07-17T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-16T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/card54985.html", "人物ID": "001... | 0.652 | 0.628 | 0.22 | 0.467 | 0.692 | Advanced | 1,498 | 0.317757 | 41.371429 | 6.577731 | 0.348614 | 0.922269 | 1.597015 | 0.00534 | 0.263544 | 475.319184 | 0.46729 | 6.518099 |
これは有名な大徳寺蔵の牧渓「竜虎」の双幅に見られるその題語款識である(但し「蜀僧法常識製」の分は「観音」の三幅対のもの)。
牧渓という人は、いわゆる大器大用の作家であった。決して小手の利いた人ではなかった。たくさん輸入された牧渓の画のうちで、大徳寺のこの双幅と、同じく「観音に鶴と猿」の図三幅対は、もっとも、その代表的な大作であるということであるが、偶然かどうか、この両作にかぎって、また、こんなにまでよく牧渓の全風格を丸出しにした字の書きぶりの妙味さが見られるのは至極妙である。
牧渓という人が大器であったればこそ、この字に見るがごとく、かくまでに不器用であったといえよう。さればこそ、その一字一字が実にもってまずいのである。もし牧... | 底本:「魯山人書論」中公文庫、中央公論新社
1996(平成8)年9月18日初版発行
2007(平成19)年9月25日3刷発行
底本の親本:「魯山人書論」五月書房
1980(昭和55)年5月
入力:門田裕志
校正:木下聡
2020年7月27日作成
青空文庫作成ファイル:
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| {"作品ID": "055067", "作品名": "牧渓の書の妙諦", "作品名読み": "もっけいのしょのみょうてい", "ソート用読み": "もつけいのしよのみようてい", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 728", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2020-08-10T00:00:00", "最終更新日": "2020-07-27T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/card55067.html", "人... | 0.535 | 0.606 | 0.212 | 0.729 | 0.773 | Intermediate | 1,235 | 0.279352 | 41.103448 | 6.469565 | 0.354446 | 0.901449 | 1.504263 | 0.001619 | 0.258075 | 762.713436 | 0.728745 | 5.351132 |
柳さんの書かれた手紙の字、すなわち、その書というものは、遺憾ながら私の見たところによると、いわゆる氏の理想とされる民芸の感覚からは遠く離れたものである――と断ぜざるを得ない。
民芸の美はなんといっても無邪気で、素直であるというところにある。有心の影を宿してはいけない。作意の濁りがあってはならない。柳さんの書、果して無邪気であるだろうか、素直であるだろうか、または無心であるだろうか。
柳さんほどに、その自分の議論に、自分と自分で名論の匂いをふりかけて喜んでいたならば、その書かれる字なぞ、当然の議論を裏付けて、然るべく、その民芸精神を反映しなければならないはずである。
然るに、柳さんの書たるや、その持論とは全く遊離して、意外にも... | 底本:「魯山人書論」中公文庫、中央公論新社
1996(平成8)年9月18日初版発行
2007(平成19)年9月25日3刷発行
底本の親本:「魯山人書論」五月書房
1980(昭和55)年5月
入力:門田裕志
校正:木下聡
2021年2月26日作成
青空文庫作成ファイル:
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| {"作品ID": "055068", "作品名": "柳宗悦氏の筆蹟を通じその人を見る", "作品名読み": "やなぎむねよししのひっせきをつうじそのひとをみる", "ソート用読み": "やなきむねよししのひつせきをつうしそのひとをみる", "副題": "――名論の逆を行く氏の書――", "副題読み": "――めいろんのぎゃくをゆくしのしょ――", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 750", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2021-03-21T00:00:00", "最終更新日": "2021-02-26T00:00:00", "図書カード... | 0.604 | 0.603 | 0.201 | 0.949 | 1 | Advanced | 1,423 | 0.244554 | 52.846154 | 6.548851 | 0.313641 | 0.913793 | 1.528464 | 0 | 0.247577 | 1,411.053254 | 0.9487 | 6.03994 |
一番最初鍋の中に切れ目のある昆布を敷き、鍋の深さの半分目以上水を入れる。三寸の鍋なら上一寸を余して水を入れ、およそ一寸角くらいに切った豆腐をこわさないようにそっと入れる。杉箸ではさんでそっと入れる。それを火力の強い火の上にかけ、鍋の蓋をしておく。約五分位で、火さえ強ければ、初めてぽっと煮え上がる。その時豆腐を箸でおして見ると軽い弾力ができていて、肴の白子かクリームのようにぽとぽとしていい煮え加減になっている、その刹那がうまい。これを煮すぎて豆腐がしまって来たり、豆腐と豆腐がくっついたり、鬆がたって来たりしてはもううまくはない。
だから最初から一時に鍋の中に豆腐をたくさん入れることはよくない。酒の肴にするような場合は、三切れか四切... | 底本:「魯山人著作集 第三巻 料理論集」五月書房
1980(昭和55)年12月30日初版第1刷
1993(平成5)年5月12日新装改訂版
初出:「星岡 28号」星岡窯研究所
1933(昭和8)年3月30日
※初出時の署名は「魯山人述」です。
※初出時は、「美味い豆腐の話」と「湯豆腐のやり方」の二篇で「湯豆腐のやり方」となっています。
入力:富田倫生
校正:Juki
2015年3月31日作成
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| {"作品ID": "051159", "作品名": "湯豆腐のやり方", "作品名読み": "ゆどうふのやりかた", "ソート用読み": "ゆとうふのやりかた", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "「星岡\u300028号」星岡窯研究所、1933(昭和8)年3月30日", "分類番号": "NDC 596", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2015-04-24T00:00:00", "最終更新日": "2015-03-31T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards... | 0.647 | 0.612 | 0.22 | 0 | 0.709 | Advanced | 633 | 0.296998 | 40.933333 | 6.473404 | 0.423645 | 0.904255 | 1.559113 | 0.012638 | 0.230115 | 559.662222 | 0 | 6.472727 |
古来世間でいう「うまい書」というものには、例えば夏の夕、裸であぐらをかいて、夕顔棚の下で涼しい顔をしているようなのがある。
それではまた、先輩諸君を前にして失礼でございますが、また実学上のことを話さしていただきます。
今日、字のことは、相変らずうまいとか、まずいとかいうことで済んでしまっておるようでありますが、前に申し上げましたように、うまいとか、まずいとかいう事はなかなか簡単に片付けられるようなものではありません。ただ、うまいといった所で、うまいのはどうだとか、まずいのはどうだとかいう意義が詳しく得心の行くように分って来なければならないと思うのであります。うまい書は夕顔棚の下で涼しい顔をしておるような、呑気に、洒々として書... | 底本:「魯山人書論」中公文庫、中央公論新社
1996(平成8)年9月18日初版発行
2007(平成19)年9月25日3刷発行
底本の親本:「魯山人書論」五月書房
1980(昭和55)年5月
入力:門田裕志
校正:木下聡
2020年2月21日作成
青空文庫作成ファイル:
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| {"作品ID": "055052", "作品名": "よい書とうまい書", "作品名読み": "よいしょとうまいしょ", "ソート用読み": "よいしよとうまいしよ", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 728", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2020-03-08T00:00:00", "最終更新日": "2020-02-21T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/card55052.html", "人物ID":... | 0.588 | 0.586 | 0.158 | 0.245 | 0.825 | Advanced | 7,949 | 0.260159 | 42.861111 | 6.337524 | 0.15449 | 0.871373 | 1.512367 | 0.001635 | 0.221396 | 834.319599 | 0.245314 | 5.882205 |
古来貴重視せらるる陶磁器は東洋に於て特に発達を遂げ西邦に及ぼす所ありたるは言ふまでも無い。而して早く支那に於て発明する処ありたるも論無き処であるが、清朝に下つては其作品に芸術的生命を有するものの影を没するに至つた。明以前に遡るに及んで其作品に芸術的生命を有するもの太だ尠からざるを見る次第である。朝鮮に於ては高麗である。我が日本に於ても瀬戸の藤四郎、九谷の才次郎等の時代に於ては芸術として取扱ふに足る作品を生じて余りあるのであるが、以後に於ては屈指の名匠を除く以外大体見るべきものは鮮少である。現代陶磁器に至つては歎息すべき状態にあつて芸術的生命あるものの絶無であることを叫ばざるを得ない。纔かに二、三の有志により芸術的理解を以て研究の続... | 底本:「魯山人陶説」中公文庫、中央公論新社
1992(平成4)年5月10日初版発行
2008(平成20)年11月25日12刷発行
底本の親本:「魯山人陶説」東京書房社
1975(昭和50)年3月
入力:門田裕志
校正:木下聡
2020年6月27日作成
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| {"作品ID": "055115", "作品名": "余が近業として陶磁器製作を試みる所以", "作品名読み": "よがきんぎょうとしてとうじきせいさくをこころみるゆえん", "ソート用読み": "よかきんきようとしてとうしきせいさくをこころみるゆえん", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 751", "文字遣い種別": "新字旧仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2020-07-23T00:00:00", "最終更新日": "2020-06-27T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora... | 0.826 | 0.678 | 0.241 | 0.669 | 0.875 | Expert | 1,047 | 0.443171 | 54.105263 | 6.696121 | 0.442136 | 0.943966 | 1.553412 | 0 | 0.27869 | 584.831025 | 0.668577 | 8.259707 |
元来、美味な料理ができないという理由は、料理する人が鋭敏な味覚の舌をもたないことと、今一つは風情というものの力が、どんなにうまく料理を工夫させるかを知らないからに基因する。この風情とは、美的趣味と風流とが主になって働きかけ、まず見る眼を喜ばせ、次に食べる心を楽しませるのである。
しかし、料理という仕事も至芸の境にまで進み得ると、まことに僅少な材料費、僅少な手間ひまでなんの苦もなく立ちどころに天下の美料理を次から次と生むことができるものである。よく主婦の料理下手を非難するもののあることを耳にするが、一家の主婦に料理の上手を求めようとするほどの者は、まずもって求める者以上に、主婦をしてよい料理体験をなさしめることである。
牡蠣雑炊... | 底本:「魯山人の食卓」グルメ文庫、角川春樹事務所
2004(平成16)年10月18日第1刷発行
2008(平成20)年4月18日第5刷発行
底本の親本:「魯山人著作集」五月書房
1993(平成5)年発行
初出:「朝日新聞」
1939(昭和14)年
入力:門田裕志
校正:仙酔ゑびす
2010年1月14日作成
2011年4月12日修正
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| {"作品ID": "050006", "作品名": "夜寒に火を囲んで懐しい雑炊", "作品名読み": "よさむにひをかこんでなつかしいぞうすい", "ソート用読み": "よさむにひをかこんてなつかしいそうすい", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "「朝日新聞」1939(昭和14)年", "分類番号": "NDC 596", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2010-02-06T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-21T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.... | 0.54 | 0.618 | 0.214 | 0.472 | 0.53 | Intermediate | 3,075 | 0.273821 | 32.777778 | 6.602138 | 0.267569 | 0.928741 | 1.600729 | 0.007154 | 0.286199 | 437.795062 | 0.471545 | 5.403941 |
じゅんさいというものは、古池に生ずる一種の藻草の新芽である。その新芽がちょうど蓮の巻葉のように細く巻かれた、ようよう長さ五分くらいのものを賞玩するのである。その針のように細く巻かれた萌芽を擁護しているものが、無色透明の、弾力のある、ところてんのような、玉子の白味のような付着物である。
それはその芽の生長をば小魚などに突っつかれて傷つかないように護る一種の被衣である。
これを水中で見ると、そのかわいい芽が水色の胞衣に包まれている。それは造化の神の教えによって分泌する粘液体である。このぬめぬめの粘液体が厚くじゅんさいの新芽に付着しているために、じゅんさいは美食としての価値がある。この粘液体がなかったら、じゅんさいは別段に美味いもの... | 底本:「魯山人味道」中公文庫、中央公論社
1980(昭和55)年4月10日初版発行
1995(平成7)年6月18日改版発行
2008(平成20)年5月15日改版14刷発行
入力:門田裕志
校正:仙酔ゑびす
2012年8月20日作成
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| {"作品ID": "054954", "作品名": "洛北深泥池の蓴菜", "作品名読み": "らくほくみぞろがいけのじゅんさい", "ソート用読み": "らくほくみそろかいけのしゆんさい", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 596", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2012-10-15T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-16T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/card54954.ht... | 0.547 | 0.622 | 0.211 | 0.611 | 0.705 | Intermediate | 1,146 | 0.272251 | 40.814815 | 6.650641 | 0.335626 | 0.935897 | 1.576341 | 0.001745 | 0.250684 | 551.632373 | 0.61082 | 5.467078 |
良寛様のような、近世では他にその比を見られないまでの、ずば抜けた書、それをわれわれごときがとやかくといい気になって批評することは、どういうものかと危惧を禁じ得ないものがないのでもないが、しかし良寛様には常日頃親しみと尊敬とを持っている一人であるという関係をもって許していただけるとし、僭越を承知しながら、ともかくも感ずるところを一応述べさして貰うこととする。
良寛様の書、それは品質に見ても、形貌すなわち書風に見ても、容易にあり得ない、素晴らしい良能の美書というべきである。なんの角度から見ても世の常の通りものとは格が異っていて近世における能書例と同一に論じ難い点があると認めねばならない。単に正しい書だとか、嘘のない書だとかいったくら... | 底本:「日本の名随筆27 墨」作品社
1985(昭和60)年1月25日第1刷発行
1997(平成9)年5月20日第17刷発行
底本の親本:「魯山人著作集 第二巻」五月書房
1980(昭和55)年11月発行
入力:門田裕志
校正:noriko saito
2009年12月4日作成
2012年4月11日修正
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| {"作品ID": "050294", "作品名": "良寛様の書", "作品名読み": "りょうかんさまのしょ", "ソート用読み": "りようかんさまのしよ", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 728", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2010-01-26T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-21T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/card50294.html", "人物ID": "0... | 0.656 | 0.614 | 0.178 | 0.801 | 1 | Advanced | 6,987 | 0.3153 | 50.102941 | 6.452565 | 0.223034 | 0.893781 | 1.547508 | 0.001717 | 0.231548 | 1,060.268815 | 0.801488 | 6.560789 |
良寛の書には、不肖ながら私も心の底から惚れこんで、一通り見られるだけのものは、百点位見た積りである。
その経験でいうと、良寛様とて未熟時代があって、若かりし頃の書(屏風に書かれている書の時代まで)は、別段のこともないが、後年六十歳頃にもなられてからは、俄然妙境に入り、殊に尺牘の如きは、まことにたまらないまでのものである。唐または唐以前の書に着目して学んだ跡の歴々としたものがあり、彼の書道における眼の利き方、見識の高さを示して余りあるものがある。
羲之を学んで能書の聞こえ高かりし物徂徠(荻生徂徠)の如きも過去にもあるにはあるが、良寛の如き美しき芸術性は具わらず、超凡というところまでは行かなかった。この点、流俗的に書家風を逐う徂徠... | 底本:「魯山人書論」中公文庫、中央公論新社
1996(平成8)年9月18日初版発行
2007(平成19)年9月25日3刷発行
底本の親本:「魯山人書論」五月書房
1980(昭和55)年5月
入力:門田裕志
校正:木下聡
2018年12月24日作成
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| {"作品ID": "055069", "作品名": "良寛の書", "作品名読み": "りょうかんのしょ", "ソート用読み": "りようかんのしよ", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 728", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2019-01-06T00:00:00", "最終更新日": "2018-12-24T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/card55069.html", "人物ID": "001403... | 0.546 | 0.606 | 0.221 | 0.729 | 0.656 | Intermediate | 1,441 | 0.30465 | 38.444444 | 6.400911 | 0.35 | 0.886105 | 1.532979 | 0.015961 | 0.272955 | 528.302469 | 0.728661 | 5.458047 |
料理の話? 君、料理の話をしたってムダだよ。たとえば、かつおぶしでだしを取るとか、昆布でだしを取るとか言っても、かつおぶしにも昆布にも種類があり、良否があり、取り方にも口で言えないコツがある。竹内栖鳳は、門人に教えて、出来るだけ丁寧に写生をすること、それから出来るだけ筆を抜いて写生すること、それから後は「悟り」だと言ったそうだが、料理もつまり「悟り」だ。
*
砂糖は何匁、味酬どのくらい、と言ったって、そのコツが分るものではない。僕に言わせると、料理屋の料理は美味くないと言えるね。料理はせいぜい五人以下で味わうべきもので、ほんとう言うと、私がつくる、あなたが食う――つまり、さしで行かなければ、ほんとうには味わえない。... | 底本:「魯山人味道」中公文庫、中央公論社
1980(昭和55)年4月10日初版発行
1995(平成7)年6月18日改版発行
2008(平成20)年5月15日改版14刷発行
入力:門田裕志
校正:仙酔ゑびす
2013年5月14日作成
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| {"作品ID": "054986", "作品名": "料理一夕話", "作品名読み": "りょうりいっせきばなし", "ソート用読み": "りようりいつせきはなし", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 596", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2013-07-22T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-16T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/card54986.html", "人物ID": ... | 0.545 | 0.607 | 0.188 | 0.207 | 0.792 | Intermediate | 8,927 | 0.256749 | 42.482587 | 6.549738 | 0.22019 | 0.914921 | 1.600681 | 0.009186 | 0.245274 | 745.254672 | 0.207236 | 5.453564 |
良寛は「好まぬものが三つある」とて、歌詠みの歌と書家の書と料理屋の料理とを挙げている。まったくその通りであって、その通りその通りと、なんべんでも声を大にしたい。料理人の料理や、書家の書や、画家の絵というものに、大したもののないことは、われわれの日ごろ切実に感じているところである。
しからばこれはなにがためであろうか。
良寛のいうのは、料理人の料理とか書家の書というようなものが、いずれもヨソユキの虚飾そのものであって、真実がないからいかんといっているに違いない。つまり、作りものはいけないということだ。
だが、わたしの思うには、家庭料理をそのまま料理屋の料理にすることができるか、といえば、それはできない、客は来ないからだ。明らか... | 底本:「魯山人の美食手帖」グルメ文庫、角川春樹事務所
2008(平成20)年4月18日第1刷発行
底本の親本:「魯山人著作集」五月書房
1993(平成5)年発行
初出:「独歩」
1953(昭和28)年
入力:門田裕志
校正:noriko saito
2009年12月4日作成
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| {"作品ID": "050007", "作品名": "料理芝居", "作品名読み": "りょうりしばい", "ソート用読み": "りようりしはい", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "「独歩」1953(昭和28)年", "分類番号": "NDC 596", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2010-01-14T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-21T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/card50007.html", "人... | 0.564 | 0.619 | 0.173 | 0.673 | 0.641 | Advanced | 2,007 | 0.267065 | 40.166667 | 6.649254 | 0.230109 | 0.93097 | 1.565523 | 0.007474 | 0.209929 | 378.472222 | 0.672646 | 5.635559 |
料理と食器の話などいう、こんな平凡な事柄は、今さら私がおしゃべりしませんでも、みなさんは毎日のことでありますから、疾うにこれに関心をお持ちになり、研究もお出来になっておりますことと思いますが、この平凡事も、興味を持って向かってみますと、際限なく面白いものでありまして、私どもは毎日のようにこれを楽しみ、これをよろこびまして、時には踊り上らんばかりに、食事を摂ることも珍しいことではないのです。その代り、また、下手なことになりますと、せっかくの食事を前にしながら、ちょっとした気儘で箸もとらないというようなことも、間々あるのです。まあ一利一害というのでありましょう。
さて、今日ここでお話ししますことは、料理と食器というのですから、愚かな... | 底本:「魯山人味道」中公文庫、中央公論社
1980(昭和55)年4月10日初版発行
1995(平成7)年6月18日改版発行
2008(平成20)年5月15日改版14刷発行
入力:門田裕志
校正:仙酔ゑびす
2013年7月5日作成
青空文庫作成ファイル:
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| {"作品ID": "054987", "作品名": "料理する心", "作品名読み": "りょうりするこころ", "ソート用読み": "りようりするこころ", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 596", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2013-08-10T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-16T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/card54987.html", "人物ID": "001... | 0.588 | 0.618 | 0.179 | 0.292 | 0.935 | Advanced | 3,762 | 0.246943 | 48.039474 | 6.68676 | 0.228256 | 0.940797 | 1.596097 | 0.004253 | 0.219462 | 898.064231 | 0.292398 | 5.87616 |
中国料理の食器を使っている日本料理
日本料理に使っている上手物の陶器の食器は、多く中国で出来たものである。殊にわが懐石料理に尊重する器具の例を挙げるならば、染付の各種、青磁万体、呉須赤絵、金襴手類などは、残らず中国の食器として生まれたものである。それを三、四百年以来、日本料理に適当として調和させている手腕は、慥かに一見識というべきである。以て当時の人々の鑑賞力のほどもわかって来るというもので、所謂古渡り物は、今日なお食器の最高権威として取扱われている次第である。
ところが本場の中国では、古い優良な佳器は殆ど地を払って皆無というありさまである。このように本場の空虚になった原因は、日本人に上手物を選抜されたことと、その後は欧米人に... | 底本:「魯山人陶説」中公文庫、中央公論新社
1992(平成4)年5月10日初版発行
2008(平成20)年11月25日12刷発行
底本の親本:「魯山人陶説」東京書房社
1975(昭和50)年3月刊行
入力:門田裕志
校正:木下聡
2018年11月24日作成
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| {"作品ID": "055085", "作品名": "料理と器物", "作品名読み": "りょうりときぶつ", "ソート用読み": "りようりときふつ", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 751", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2018-12-21T00:00:00", "最終更新日": "2018-11-24T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/card55085.html", "人物ID": "00140... | 0.615 | 0.662 | 0.218 | 0.709 | 0.691 | Advanced | 1,129 | 0.371125 | 43.28 | 6.756563 | 0.369655 | 0.954654 | 1.557241 | 0 | 0.255717 | 360.8416 | 0.708592 | 6.150766 |
近来、食べ物のことがいろいろの方面から注意され、食べ物に関する論議がさかんになってきた。殊に栄養学というような方面から、食べ物の配合や量のことをやかましくいうことが流行った。けれども、子供や病人ならともかく、自分の意志で、自分の好きなものを食うことのできる一般人にとっては、そういう論議はいくらやっても、なんの役にもたたない。
だから栄養料理という言葉が、まずい料理の代名詞のように使われたのも、むしろ当然である。わたしどもの目からみると、栄養料理というものは、料理にもなにもなっていない。
人間の食べ物は、馬や牛の食物とはちがう。人間は食べ物を料理して食うからである。料理とはいうまでもなく、物をうまく食うための仕事である。だが、わ... | 底本:「魯山人の美食手帖」グルメ文庫、角川春樹事務所
2008(平成20)年4月18日第1刷発行
底本の親本:「魯山人著作集」五月書房
1993(平成5)年発行
初出:「星岡」
1931(昭和6)年
入力:門田裕志
校正:noriko saito
2009年12月4日作成
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| {"作品ID": "050008", "作品名": "料理と食器", "作品名読み": "りょうりとしょっき", "ソート用読み": "りようりとしよつき", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "「星岡」1931(昭和6)年", "分類番号": "NDC 596", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2010-01-23T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-21T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/card50008.html"... | 0.696 | 0.611 | 0.189 | 0.635 | 0.919 | Advanced | 1,970 | 0.253807 | 50.236842 | 6.602 | 0.269451 | 0.924 | 1.613432 | 0.015228 | 0.218987 | 729.180748 | 0.634518 | 6.957203 |
「料理人を募る」星岡茶寮で新聞広告を出すと、たちまちあのチッポケな十行くらいの雇傭広告一回に対して、百人余りもぞろぞろ申込者があった。不景気で失業している人の多いのにもよろうが、料理人が世に溢れるくらいたくさんいるのだとは、よくよく肯かれる。にもかかわらず、ここにこの広告を出すことになった。たくさんの人を欲しいためではなく、たった一人の真の料理人を本誌読者諸氏のお知合の中から得られはしまいか、と思ってです。
真の料理人とは、良寛さまから「いやなものは料理人の料理」と、いやがられない良い料理をこしらえ得る人です。従って、ほんとの料理をよくわきまえた人で、今後わきまえ得る人の意味です。
そういう料理人はまず第一に味を知り、味を楽しむ... | 底本:「魯山人著作集 第三巻」五月書房
1980(昭和55)年12月30日
初出:「星岡 57号」星岡窯研究所
1935(昭和10)年6月
※本文末の編者による注記は省略しました。
入力:江村秀之
校正:木下聡
2021年2月26日作成
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| {"作品ID": "059651", "作品名": "料理人を募る", "作品名読み": "りょうりにんをつのる", "ソート用読み": "りようりにんをつのる", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "「星岡\u300057号」星岡窯研究所、1935(昭和10)年6月", "分類番号": "NDC 596", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2021-03-23T00:00:00", "最終更新日": "2021-02-26T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/... | 0.668 | 0.644 | 0.232 | 0 | 0.555 | Advanced | 752 | 0.356383 | 36.2 | 6.615672 | 0.433121 | 0.929104 | 1.596603 | 0.005319 | 0.2501 | 321.66 | 0 | 6.676656 |
一人の男がいた。女房が去った後は独りで暮らしていた。その男はこんなことを考えた。
「まず土地を見つけることだ。よく肥えた土地を。そしてそこへ野菜を植えるのだ。毎日野菜が食べられるぞ」
けれど、男は土地を探すことをしなかった。家の中でごろごろしていた。それでも、おなかがすいてくるので、パンをかじった。男はあくる日、こんなことを考えた。
「野菜もいいが、牛を飼うのだな。そして、豚も飼うのだな。おいしい肉が食べられるぞ」
でも、男はなにもせずにごろごろしていた。おなかがすいたので残りのパンをかじっていた。その男の頭が、なんだか少しふくれているようだ。
あくる日、男は考えた。
「女房がいなくとも、ちゃんとこうして食べていける。待て待... | 底本:「魯山人の美食手帖」グルメ文庫、角川春樹事務所
2008(平成20)年4月18日第1刷発行
底本の親本:「魯山人著作集」五月書房
1993(平成5)年発行
初出:「独歩」
1953(昭和28)年
入力:門田裕志
校正:noriko saito
2009年12月4日作成
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| {"作品ID": "050009", "作品名": "料理の第一歩", "作品名読み": "りょうりのだいいっぽ", "ソート用読み": "りようりのたいいつほ", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "「独歩」1953(昭和28)年", "分類番号": "NDC 596", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2010-01-17T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-21T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/card50009.h... | 0.395 | 0.587 | 0.189 | 0.063 | 0.319 | Intermediate | 1,594 | 0.167503 | 25.1 | 6.617978 | 0.239636 | 0.928839 | 1.611729 | 0.007528 | 0.235602 | 183.29 | 0.062735 | 3.952615 |
美味い料理を拵える秘訣――
美味いものを食う秘訣――
この秘訣を知ることが一番大事なことだ。その秘訣というのは、言ってしまえば手品の種といっしょで、別段なんでもないことだ。つまり、なあんだと言うようなもんだが、それはたびたび申すように、よい材料を用いること、選ぶことだ。大方の人は、大概そんなことだろうと思ってた、と言うだろう。しかし、何事も早合点は軽薄とかあわてものというものだ。まず落ちついて教育することを考えて欲しいと言いたい。
料理の材料が悪くては一人前の美味い料理とはならない。骨ばかり折れて世話甲斐のない結果しか残らない。労して功なしである。
ところで、料理の不味い理由は、大概料理人の材料を選択する際の不明、不注意か... | 底本:「魯山人味道」中公文庫、中央公論社
1980(昭和55)年4月10日初版発行
1995(平成7)年6月18日改版発行
2008(平成20)年5月15日改版14刷発行
入力:門田裕志
校正:仙酔ゑびす
2013年5月14日作成
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| {"作品ID": "054988", "作品名": "料理の秘訣", "作品名読み": "りょうりのひけつ", "ソート用読み": "りようりのひけつ", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 596", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2013-07-22T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-16T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/card54988.html", "人物ID": "00140... | 0.512 | 0.634 | 0.214 | 0.184 | 0.491 | Intermediate | 2,996 | 0.295728 | 33.383721 | 6.699774 | 0.302313 | 0.946953 | 1.575184 | 0.003338 | 0.274944 | 274.027177 | 0.183578 | 5.121845 |
美味い料理をしようと思ったら、その根本は食品材料を生かせばよい、それだけのことである。材料を生かすということは、死んださかなを再び水に泳がすというふうな、そんな無理なことを言うのではない。くだいて言えば、「美味いものは宵に食え」と言う、これを実行すればよいのである。せっかく宵に食えば美味いものを、そうしないで、翌日に残して味を殺す。これが料理法の根本義に背くものだと知ればよいのである。牛肉など新しいのはかたくていけないが、これなど例外で、大体は新鮮が美味いと決っている。たいの刺身のように獲りたてもよし、一日ぐらい手当したのもよし、というようなものもあるが、小魚に至っては、なんとしても水切りに近いものをよしとする。蔬菜はなおさらのこ... | 底本:「魯山人味道」中公文庫、中央公論社
1980(昭和55)年4月10日初版発行
1995(平成7)年6月18日改版発行
2008(平成20)年5月15日改版14刷発行
入力:門田裕志
校正:仙酔ゑびす
2013年5月14日作成
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| {"作品ID": "054989", "作品名": "料理の妙味", "作品名読み": "りょうりのみょうみ", "ソート用読み": "りようりのみようみ", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 596", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2013-07-27T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-16T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/card54989.html", "人物ID": "001... | 0.599 | 0.632 | 0.197 | 0.872 | 0.713 | Advanced | 1,605 | 0.269159 | 42.027027 | 6.763889 | 0.296225 | 0.956019 | 1.553727 | 0.004984 | 0.240562 | 507.161432 | 0.872274 | 5.986522 |
日本料理の革新を叫んで星岡を始めたころ、私が板場へ降りて仕事をしだすと、料理材料のゴミが三分の一しか出ないと、ある料理人から言われた。料理材料の不用分を私が処理すると、捨てるところが減少してしまうからである。私は今でもそれを誇りにしてよいと思っている。ある時、板場へ降りて行ってみると、ふろ吹き大根をつくるというので、勇敢に大根の皮を剥いている。皮だから捨ててしまえばそれまで、糠味噌へ入れれば漬けものになるし、そのほか、工夫次第でなんにでも重宝に使える。
こんなことを廃物利用と人は呼んでいるが、大根の皮の部分というものは、元来、廃物ではない。廃物だと言うのは、料理知らずのたわごとである。皮の部分にこそ、大根の特別な味もあり栄養もあ... | 底本:「魯山人味道」中公文庫、中央公論社
1980(昭和55)年4月10日初版発行
1995(平成7)年6月18日改版発行
2008(平成20)年5月15日改版14刷発行
入力:門田裕志
校正:仙酔ゑびす
2013年7月5日作成
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| {"作品ID": "054990", "作品名": "料理は道理を料るもの", "作品名読み": "りょうりはどうりをはかるもの", "ソート用読み": "りようりはとうりをはかるもの", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 596", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2013-08-10T00:00:00", "最終更新日": "2019-03-24T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/card54990.html... | 0.6 | 0.624 | 0.192 | 0.534 | 0.601 | Advanced | 1,217 | 0.258833 | 37.967742 | 6.720635 | 0.29798 | 0.946032 | 1.536616 | 0.01479 | 0.226989 | 370.353798 | 0.5341 | 5.995318 |
鮎
*食べ頃はあゆのとれ出した若あゆから七月初旬まで。さばのように大きく成長したのはまずい。卵子を持つまでが一等美味。
*あゆの産地ではめいめいお国自慢をしているが、結局はだいたいとれたての新鮮なのをすぐ食べること。
*はらわたをぬかないはらもちにかぎる。東京に来るのははらわたをぬいたもの九分九厘。買うときにこのことを留意すること。
*活あゆの刺身は洗い作りの王、一尾から四切れか六切れ。
*背ごしはその次。
*生きのいいものは塩焼き。生きの悪いのは照り焼き。
*あゆの食べ方。塩焼きは頭から食え。頭の中のエキスがうまい。骨はかんで吐き出す。はらわたは無論美味。
*あゆの雑炊はふぐの雑炊に次ぐ雑炊の王。岐阜辺りでやって... | 底本:「魯山人の美食手帖」グルメ文庫、角川春樹事務所
2008(平成20)年4月18日第1刷発行
底本の親本:「魯山人著作集」五月書房
1993(平成5)年発行
初出:「星岡」
1933(昭和8)年
入力:門田裕志
校正:noriko saito
2009年12月3日作成
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| {"作品ID": "050011", "作品名": "料理メモ", "作品名読み": "りょうりメモ", "ソート用読み": "りようりめも", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "「星岡」1933(昭和8)年", "分類番号": "NDC 596", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2010-01-02T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-21T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/card50011.html", "人物ID... | 0.369 | 0.612 | 0.24 | 0.016 | 0.25 | Intermediate | 3,150 | 0.262857 | 21.847328 | 6.572464 | 0.290373 | 0.925121 | 1.630435 | 0.011111 | 0.334703 | 142.388905 | 0.015873 | 3.685983 |
料理屋の料理にせよ、あるいは家庭の料理にせよ、それがうまくできるもできないも、要するに料理をする人の舌次第なのである。
あそこの料理屋の料理よりも、ここのうちの奥さんのお手料理の方がはるかに美味である、と言うようなことも時に聞く話である。この場合、この奥さんの味覚は、他の料理屋の料理人のそれよりも確かに味覚感度が高く、且つ、しっかりしていたということを意味する。
ところで、味覚器官そのものである舌は、人それぞれ一枚ずつしか持ち合わせていない。それゆえ、感度の高い舌を持ち合わせているということは、天幸であり、天爵であり、天恵である。
しかし、天分的に味覚のすぐれた人というのは、そうザラにいるというわけにはいかない。天は地上に、... | 底本:「魯山人味道」中公文庫、中央公論社
1980(昭和55)年4月10日初版発行
1995(平成7)年6月18日改版発行
2008(平成20)年5月15日改版14刷発行
入力:門田裕志
校正:仙酔ゑびす
2013年5月14日作成
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| {"作品ID": "054991", "作品名": "料理も創作である", "作品名読み": "りょうりもそうさくである", "ソート用読み": "りようりもそうさくてある", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 596", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2013-07-27T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-16T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/card54991.html", "人物... | 0.569 | 0.625 | 0.199 | 0.999 | 0.843 | Advanced | 1,151 | 0.278888 | 50.636364 | 6.660436 | 0.329801 | 0.937695 | 1.524503 | 0.003475 | 0.232572 | 478.322314 | 0.999131 | 5.692035 |
私が鎌倉の山崎に窯を築き、製陶の事に懸命に係り出してからといふものは、勢の赴くところとでも云はうか、参考品としての古陶磁の蒐集が余儀なく一箇の大事になつた。
これは私が製陶上の狙ひを、一に古陶磁の本領に向つて定めて行つたといふ事が、事を左様にはげしくした。そして今日に於ては所集の陶品、数千点を数へやうとしてゐるのである。
私が此参考品を集めるに当つての標準は、凡そ三百年以前の物と云ふ事を理想とし少しでも参考になりさうなものであれば、完器と不完器とを問はず、又損傷の有無を論ぜず、中華、朝鮮、日本その他に亘り、浅くとも殆どその一通りは手を届かせたつもりである。
かくて見つつ作り、作りつつ見てゐる間に、いつとはなしにそこに何やら手... | 底本:「魯山人陶説」中公文庫、中央公論新社
1992(平成4)年5月10日初版発行
2008(平成20)年11月25日12刷発行
底本の親本:「魯山人陶説」東京書房社
1975(昭和50)年3月
入力:門田裕志
校正:木下聡
2020年4月28日作成
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| {"作品ID": "055116", "作品名": "魯山人家蔵百選\u3000序", "作品名読み": "ろさんじんかぞうひゃくせん\u3000じょ", "ソート用読み": "ろさんしんかそうひやくせんしよ", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 751", "文字遣い種別": "新字旧仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2020-05-14T00:00:00", "最終更新日": "2020-04-28T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/ca... | 0.839 | 0.637 | 0.207 | 0.383 | 1 | Expert | 913 | 0.33954 | 74.083333 | 6.593548 | 0.393468 | 0.925806 | 1.419907 | 0 | 0.2424 | 3,072.076389 | 0.383352 | 8.38606 |
私が陶器を自分で作る気になり、窯を自分の家に築き始めたのは昭和二年四月であり、窯が出来て第一回の製作を了り、初窯を試みたのはその年の十月の七日であるから、まだ至つて日の浅いことである。自分の家に窯を持たなかつた以前は、京都で宮永東山氏の窯場、加賀では山代の須田菁華氏の窯場を主とし、時には山中の永寿窯、大聖寺の秋塘窯、尾張赤津の作助氏の窯などに於て、自分好みの生地をつくらせ、それに自分で上絵を描き、主として食器類をこしらへ試みてゐたのである。
処が他人の作つて呉れたのに自分が模様を描くといふのでは、個々の相違からと、鑑賞力の相違からとで、とてもしつくりと行かない。そこで、これは自分で何から何まで一通りやらねば本格でないといふ事がわ... | 底本:「魯山人陶説」中公文庫、中央公論新社
1992(平成4)年5月10日初版発行
2008(平成20)年11月25日12刷発行
底本の親本:「魯山人陶説」東京書房社
1975(昭和50)年3月
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5-86)を、大振りにつくっています。
入力:門田裕志
校正:木下聡
2020年4月28日作成
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| {"作品ID": "055117", "作品名": "魯山人作陶百影\u3000序", "作品名読み": "ろさんじんさくとうひゃくえい\u3000じょ", "ソート用読み": "ろさんしんさくとうひやくえいしよ", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 751", "文字遣い種別": "新字旧仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2020-05-14T00:00:00", "最終更新日": "2020-04-28T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/... | 0.745 | 0.654 | 0.215 | 0.181 | 1 | Advanced | 1,381 | 0.419986 | 58.521739 | 6.527586 | 0.389474 | 0.912069 | 1.453684 | 0.001448 | 0.256899 | 1,337.119093 | 0.181028 | 7.449374 |
あゆの小さなものは、どうかするとうまくないというひともあるが、わたしは一概にそうは思わない。
小田原の手前に酒匂川という川がある。まだ禁漁中にあの近辺のひとが酒匂川のあゆをよく盗み取りするが、わたしはそれをもらうことがあって、たびたび食ったことがある。大きさはまだやっと一寸ぐらいのものだが、ちょっとあぶって食うと、実に調子の高いうまさが舌になじむ。
もっとも、最初東京にはいってくるものは、江州地方でいわゆるあゆの飴煮にするものであって、これはあまり美味なものではない。あゆは不思議な魚で、水勢のないところでは大きくならない。また同じ水勢であっても、水質や餌の関係であろうか、川によって成長率が違う。一般に大きな川のあゆは大きくなり... | 底本:「魯山人の美食手帖」グルメ文庫、角川春樹事務所
2008(平成20)年4月18日第1刷発行
底本の親本:「魯山人著作集」五月書房
1993(平成5)年発行
初出:「星岡」
1935(昭和10)年
入力:門田裕志
校正:noriko saito
2009年12月4日作成
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| {"作品ID": "050012", "作品名": "若鮎について", "作品名読み": "わかあゆについて", "ソート用読み": "わかあゆについて", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "「星岡」1935(昭和10)年", "分類番号": "NDC 596", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2010-01-08T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-21T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/card50012.html"... | 0.569 | 0.627 | 0.206 | 0.164 | 0.741 | Advanced | 915 | 0.253552 | 44.2 | 6.758621 | 0.342707 | 0.956897 | 1.608084 | 0 | 0.228667 | 476.56 | 0.163934 | 5.685812 |
ぜいたくにと、ひと口に言っても、上には上、下には下の段々がある。若鮎を賞味できる人というのは上の上に属する。丹波の秀山、和知川などの若鮎と来てはたまらない。
第一姿のよさに魅せられる。すばらしい香気に鼻がうごめく。呑口は一杯やらずには納まらない。頭から尾先まで二寸から二寸五分というくらいの大きさが若鮎の初物で、その小味はたとえようもない。若鮎には気品の高さというものがある。その気品の高さは出盛り七、八寸――一人前の鮎に較べて問題でないまでに調子の高さがある。口ぜいたくを極めた後に初めてわかる味である。
金串の極小に刺して、塩焼きにするのはふつうのことで、これを生のまま赤出しに入れて、若鮎の味噌汁をつくる。温室の蓼を添えてもよし... | 底本:「魯山人味道」中公文庫、中央公論社
1980(昭和55)年4月10日初版発行
1995(平成7)年6月18日改版発行
2008(平成20)年5月15日改版14刷発行
入力:門田裕志
校正:仙酔ゑびす
2012年8月20日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
| {"作品ID": "054955", "作品名": "若鮎の気品を食う", "作品名読み": "わかあゆのきひんをくう", "ソート用読み": "わかあゆのきひんをくう", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 596", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2012-10-28T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-16T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/card54955.html", "人物ID... | 0.497 | 0.619 | 0.226 | 0.268 | 0.413 | Intermediate | 1,118 | 0.310376 | 29.694444 | 6.495677 | 0.37741 | 0.910663 | 1.539945 | 0 | 0.275628 | 226.60108 | 0.268336 | 4.974004 |
新緑の味覚は、若あゆの塩焼きからといってもよい。関西方面ではともかく、東京で活あゆの料理が自由に食べられるようになったのは、そう古いことではない。
しかも、ほんとうに天然の若あゆを使っているうちが東京広しといえども、果たして幾軒あるであろうか。あゆはまだまだ喧伝させてよいであろう。
今のあゆは江州のもので六月になると丹波のあゆが出る。江州は野洲川の上流、および愛知川の上流のもので、丹波は和知川のものがもっともよい。
天然産のあゆとはちょっと見ればすぐわかる。形からいえば天然のものは細く長く、養殖のものは太く短い。色は天然産のものは黄金色を豊かに持ち、殊に眼の下一、二分のところに黄色い線がくっきりと表われる。養殖のものは一体に... | 底本:「魯山人の美食手帖」グルメ文庫、角川春樹事務所
2008(平成20)年4月18日第1刷発行
底本の親本:「魯山人著作集」五月書房
1993(平成5)年発行
初出:「星岡」
1935(昭和10)年
入力:門田裕志
校正:noriko saito
2009年12月4日作成
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| {"作品ID": "050013", "作品名": "若鮎の塩焼き", "作品名読み": "わかあゆのしおやき", "ソート用読み": "わかあゆのしおやき", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "「星岡」1935(昭和10)年", "分類番号": "NDC 596", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2010-01-11T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-21T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/card50013.htm... | 0.542 | 0.634 | 0.226 | 0.167 | 0.503 | Intermediate | 896 | 0.276786 | 34.4 | 6.75 | 0.397569 | 0.955645 | 1.555556 | 0 | 0.261444 | 252.64 | 0.167411 | 5.418952 |
さばずしはなんと言っても古来京都が本場である。それというのも、日本一の称をもってなる若狭小浜の春秋のさばを主材としてつくられているからである。さばは若狭が第一、次に関西ものにかぎると言うのは、私の独断ばかりではない。由来通人の定評するところである。
全く伊勢湾から東方の海となると、美味いさばの漁獲は望み得ない。東京市場で手に入る近海さばは、一種嫌悪すべき妙な臭気をもっていて、関西もの、あるいは若狭もののような好ましさというものがない。京、大阪の市場に見参するさばに比しては段違いのやくざものである。しかるに、その大阪にも見るを得ないのが若狭小浜のさばである。とても下魚とは思えないまでに上品な小味をもち、一度口にしたら忘れがたい風味... | 底本:「魯山人味道」中公文庫、中央公論社
1980(昭和55)年4月10日初版発行
1995(平成7)年6月18日改版発行
2008(平成20)年5月15日改版14刷発行
入力:門田裕志
校正:仙酔ゑびす
2012年8月20日作成
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| {"作品ID": "054956", "作品名": "若狭春鯖のなれずし", "作品名読み": "わかさはるさばのなれずし", "ソート用読み": "わかさはるさはのなれすし", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 596", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2012-10-15T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-16T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/card54956.html", "人... | 0.592 | 0.623 | 0.229 | 0.506 | 1 | Advanced | 1,086 | 0.312155 | 50.380952 | 6.530973 | 0.409812 | 0.917404 | 1.5671 | 0.001842 | 0.2619 | 1,129.854875 | 0.506446 | 5.922679 |
長次郎(安土、桃山時代)……日本陶芸史上唯一の芸術家。
本阿弥光悦(安土、桃山から江戸初期)……多趣味多能にして広範囲の美術鑑賞眼をもつ道楽者。
長次郎三代 のんこう(江戸初期)……のんこうには長次郎にみられる強さはない。豊かさに於ても格段に劣る。
野々村仁清(江戸初期)……陋習の中国趣味を捨て去り、純日本美を陶器に移し、優雅極まりなき日本固有の美術表現に終始せし一大創作家、衣冠束帯を身にまといながら自由にふるまいし作家。
尾形乾山(江戸初期)……陶画家で陶器家ではなかった乾山。光悦に優るとも劣らぬ点が身上である。
奥田穎川(江戸中期)……不幸日本美の優雅を知らず中国趣味に走った点は穎川の落度。
青木木米(... | 底本:「魯山人陶説」中公文庫、中央公論社
1992(平成4)年5月10日初版発行
2008(平成20)年11月25日12刷発行
底本の親本:「魯山人陶説」東京書房社
1975(昭和50)年3月
入力:門田裕志
校正:雪森
2014年10月13日作成
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| {"作品ID": "055086", "作品名": "私の作陶体験は先人をかく観る", "作品名読み": "わたしのさくとうたいけんはせんじんをかくみる", "ソート用読み": "わたしのさくとうたいけんはせんしんをかくみる", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 751", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2014-11-25T00:00:00", "最終更新日": "2014-10-13T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/0... | 0.545 | 0.616 | 0.16 | 0.157 | 0.787 | Intermediate | 14,679 | 0.264528 | 43.370821 | 6.622199 | 0.141634 | 0.927891 | 1.571459 | 0.005859 | 0.221481 | 677.133009 | 0.156686 | 5.45323 |
あるやんごとなき御方の御下問に奉答した私の言葉の要約を摘記する。
――あなたのなさってる陶器研究というのは釉薬の研究がむずかしいのですか。
――それも一つでございますが、一番私の重きを置いておりますのは作行であります。
と申し上げたところ、作行とは……と、重ねて御下問があったので、
――土の仕事、即ち土によって成り立つ成形上の美醜に係わる点に於て、芸術上から鑑る観点であります。陶磁器は、この土の仕事が芸術的価値を充分に具えていることを第一条件とします。いかに美しい釉薬が塗布されても、いかに力ある模様が付されても、土の仕事が不充分では面白くないものであります。それに引き換え、土の仕事が芸術的価値を充分に具えます場合は、釉薬が... | 底本:「魯山人陶説」中公文庫、中央公論社
1992(平成4)年5月10日初版発行
2008(平成20)年11月25日12刷発行
底本の親本:「魯山人陶説」東京書房社
1975(昭和50)年3月
入力:門田裕志
校正:雪森
2014年10月13日作成
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| {"作品ID": "055087", "作品名": "私の陶器製作について", "作品名読み": "わたしのとうきせいさくについて", "ソート用読み": "わたしのとうきせいさくについて", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 751", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2014-11-28T00:00:00", "最終更新日": "2014-10-13T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/card55087.ht... | 0.612 | 0.642 | 0.185 | 0.701 | 0.74 | Advanced | 3,423 | 0.324569 | 40.864198 | 6.70027 | 0.252449 | 0.943294 | 1.524043 | 0.002629 | 0.23802 | 666.388965 | 0.701139 | 6.116354 |
わたしはイタイケな時分から、食べ物にはなかなかやかましく、養父母にうるさがられたものである。子供のくせに食品にいやに眼が利き、味の良否も他に勝っていたようである。
飯も九歳の春から炊き続けて来たが、へんな飯は一度も炊いたことはないようである。それから何十年をいわば美食生活を寸断されることなく続けて今日に至っているが、困ったことには、自分の食歴を書き遺すなどいう考えあって食道楽を続けたわけではないから、もとより記録のあろうはずもなく、記憶もあやしいのである。
従って組織的に料理を語ることは出来ない相談である。また、大衆の役に立つような料理も語れまいと思っている。おそらく大衆から見れば架空の料理であるかも知れない。(昭和三十四年) | 底本:「魯山人著作集 第三巻」五月書房
1980(昭和55)年12月30日
入力:江村秀之
校正:植松健伍
2021年2月26日作成
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| {"作品ID": "059652", "作品名": "私の料理ばなし", "作品名読み": "わたしのりょうりばなし", "ソート用読み": "わたしのりようりはなし", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 596", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2021-03-23T00:00:00", "最終更新日": "2021-02-26T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/card59652.html", "人物ID"... | 0.609 | 0.577 | 0.241 | 0.938 | 0.738 | Advanced | 320 | 0.284375 | 38.5 | 6.164835 | 0.53 | 0.846154 | 1.6 | 0.0125 | 0.222414 | 796.5 | 0.9375 | 6.093268 |
室生君。
涙を流して私は今君の双手を捉へる。さうして強く強くうち振る。君は正しい。君の此詩集は立派なものだ。人間の魂で書かれた人間の詩だ。さうしてここに書かれた君の言葉は尽く人間の滋養だ。君の甦りは勇ましい。さうして純一だ。魂は無垢だ、透明だ。おお、君は安心して君自身を世に示したがよい。さうして更に世の賞讃と愛慕とを受けたがよい。おお、上天の祝福よ、永久に我友の上にあれ。
愛の詩集一巻。之は何といふ優しさだ、素直さだ、気高さ、清らかさだ。さうして何といふ悲しさ、愛らしさ、いぢらしさだ。おお、ここにはあらゆる人間の愛がある。寂しい愛、孤独の愛、真実の愛、幸福な安らかな愛、正しい愛、虐たげられ、呵責まれた愛、憐憫の愛、神のやうな... | 底本:「抒情小曲集・愛の詩集」講談社文芸文庫、講談社
1995(平成7)年11月10日第1刷発行
底本の親本:「愛の詩集」感情詩社
1918(大正7)年1月
入力:田村和義
校正:岡村和彦
2014年4月15日作成
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| {"作品ID": "056576", "作品名": "愛の詩集", "作品名読み": "あいのししゅう", "ソート用読み": "あいのししゆう", "副題": "02 愛の詩集のはじめに", "副題読み": "02 あいのししゅうのはじめに", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 911", "文字遣い種別": "新字旧仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2014-05-30T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-16T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/000106/card565... | 0.47 | 0.663 | 0.201 | 0.277 | 0.471 | Intermediate | 7,216 | 0.375831 | 28.264463 | 6.754056 | 0.255183 | 0.955383 | 1.438596 | 0.009978 | 0.289824 | 503.483778 | 0.277162 | 4.700564 |
1
われは思ふ、浅草の青き夜景を、
仲見世の裏に洩るる短夜の葱のむせびを、
公園の便所の瓦斯を、はた、澄めるアルボースの香を。
あはれなる蛇小屋の畸形児を、かつは知れりや、
怪しげの二階より寥しらに顔いだす玉乗の若き女を、
あるはまた曲馬の場に息喘ぎ、うちならぶ馬のつかれを。
新しきペンキに沁みる薄暮の空の青さよ。
また臭き花屋敷の側に腐れつつ暗みゆく溝の青さは
夜もふけて銘酒屋の硝子うち覗くかなしき男のみや知りぬらん。
われは思ふ、かかる夜景に漂浪へる者のうれひを、
馬肉屋の窻にうつる広告の幻燈を見て蓄音機きけるやからを、
かくてまた堂のうしろに病める者、尺八の追分ふし。
2
さは思へ、さは思へ、一時ののち……
... | 底本:「白秋全集 3」岩波書店
1985(昭和60)年5月7日発行
底本の親本:「白秋全集 第二巻 詩集第二」アルス
1929(昭和4)年12月10日
※本作品は底本の親本の「雪と花火」の「東京夜曲」に収められています。
入力:岡村和彦
校正:フクポー
2017年2月16日作成
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| {"作品ID": "055755", "作品名": "浅草哀歌", "作品名読み": "あさくさあいか", "ソート用読み": "あさくさあいか", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 911", "文字遣い種別": "新字旧仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2017-03-13T00:00:00", "最終更新日": "2017-02-16T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/000106/card55755.html", "人物ID": "000106",... | 0.624 | 0.619 | 0.296 | 0 | 1 | Advanced | 1,022 | 0.265166 | 61.1875 | 6.642066 | 0.458894 | 0.933579 | 1.527653 | 0.018591 | 0.407859 | 1,276.527344 | 0 | 6.237826 |
道のべの春
半島の早春
三浦三崎
大正十二年二月一日午後、何処といふあてもなくアルスの牧野君と小田原駅から汽車に乗つた。その車室に前田夕暮君が居た。何処へ行くと訊かれたのでまだわからぬと答へた。君はと云つたら大島へ行くつもりだつたけれど汽船に乗り遅れたので引返すところだと云つた。ぢやあ一緒に何処かへ行かう、それもおもしろいと云ふ事になつた。で結局三崎行ときめて、横須賀へ出た。出て見るとその駅の前にはもう薄ら寒い日の暮の風が吹きしきつてゐた。
ぼろ自動車の上
日の暮のぼろ自動車にすくみゐつ赤き浮標見居り乗合を待ちて
風空に造船場の高く赤き鉄柱が焼け暮ならんとす
日暮れぬ路いつぱいに埋まり来る職工の群にひ... | 底本:「白秋全集 9」岩波書店
1986(昭和61)年2月5日発行
底本の親本:「海阪」アルス
1949(昭和24)年6月15日
※「夕光」に対するルビの「ゆうかげ」と「ゆふかげ」の混在は、底本通りです。
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5-86)を、大振りにつくっています。
※小見出しよりもさらに下位の見出しには、注記しませんでした。
入力:岡村和彦
校正:フクポー
2017年10月25日作成
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| {"作品ID": "053187", "作品名": "海阪", "作品名読み": "うなさか", "ソート用読み": "うなさか", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 911", "文字遣い種別": "新字旧仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2017-11-02T00:00:00", "最終更新日": "2017-10-25T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/000106/card53187.html", "人物ID": "000106", "姓": "北... | 1 | 0.639 | 0.214 | 0.02 | 1 | Expert | 39,762 | 0.331472 | 268.14966 | 6.648407 | 0.188517 | 0.934901 | 1.570131 | 0.006866 | 0.333297 | 480,947.841548 | 0.02012 | 10 |
お月さまいくつ。
十三七つ。
まだ年や若いな。
あの子を産んで、
この子を産んで、
だアれに抱かしよ。
お万に抱かしよ。
お万は何処へ往た。
油買ひに茶買ひに。
油屋の縁で、
氷が張つて、
油一升こぼした。
その油どうした。
太郎どんの犬と
次郎どんの犬と、
みんな嘗めてしまつた。
その犬どうした。
太鼓に張つて、
あつちの方でもどんどんどん。
こつちの方でもどんどんどん。(東京)
この「お月さまいくつ」の謡は、みなさんがよく御存じです。私たちも子供の時は、よく紅い円いお月様を拝みに出ては、いつも手拍子をうつては歌つたものでした。この童謡は国国で色色と歌ひくづされてゐます。然し、みんなあの紅い円いつやつやしたお月様を、若い綺麗... | 底本:「日本の名随筆58 月」作品社
1987(昭和62)年8月25日第1刷発行
底本の親本:「北原白秋全集 第一六巻」岩波書店
1985(昭和60)年6月
入力:土屋隆
校正:門田裕志
2006年9月21日作成
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| {"作品ID": "002423", "作品名": "お月さまいくつ", "作品名読み": "おつきさまいくつ", "ソート用読み": "おつきさまいくつ", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC K911", "文字遣い種別": "新字旧仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2006-11-11T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-18T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/000106/card2423.html", "人物ID": "000... | 0.13 | 0.584 | 0.243 | 0 | 0.147 | Beginner | 1,770 | 0.208475 | 15.782178 | 6.449864 | 0.261084 | 0.905149 | 1.453202 | 0.015819 | 0.388022 | 152.724831 | 0 | 1.298227 |
この小さき抒情小曲集をそのかみのあえかなりしわが母上と、愛弟 Tinka John に贈る。
Tonka John.
わが生ひたち
…………時は逝く、何時しらず柔らかに影してぞゆく、
時は逝く、赤き蒸汽の船腹の過ぎゆくごとく。
(過ぎし日第二十)
1
時は過ぎた。さうして温かい苅麥のほめきに、赤い首の螢に、或は青いとんぼの眼に、黒猫の美くしい毛色に、謂れなき不可思議の愛着を寄せた私の幼年時代も何時の間にか慕はしい「思ひ出」の哀歡となつてゆく。
捉へがたい感覺の記憶は今日もなほ私の心を苛だたしめ、恐れしめ、歎かしめ、苦しませる。この小さな抒情小曲集に... | 底本:「柳河版 思ひ出」御花
1967(昭和42)年6月1日初版発行
1978(昭和53)年2月25日6版
底本の親本:「おもひで 抒情小曲集」東雲堂書店
1911(明治44)年6月5日発行
入力:Nana ohbe
校正:林 幸雄
2002年1月31日公開
2014年5月24日修正
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| {"作品ID": "002415", "作品名": "思ひ出", "作品名読み": "おもいで", "ソート用読み": "おもいて", "副題": "抒情小曲集", "副題読み": "じょじょうしょうきょくしゅう", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 911", "文字遣い種別": "旧字旧仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2002-01-31T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-17T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/000106/card2415.html", "人物ID"... | 0.47 | 0.63 | 0.227 | 0.049 | 0.927 | Intermediate | 54,641 | 0.278637 | 45.810026 | 6.707323 | 0.145257 | 0.946995 | 1.485496 | 0.012097 | 0.399875 | 1,326.744913 | 0.049413 | 4.702589 |
序
風格高うして貴く、気韻清明にして、初めて徹る。虚にして満ち、実にしてまた空しきを以て、詩を専に幻術の秘義となすであらう。
鳥の翺る、ただに尋常の行であらうか。海豹の水に遊ぶ、誰かまた険難の業とのみ判じよう。雲は太古にして若く、波は近う飜つて、かへつて帰する際涯を知らない。
詩は我が生来の道である。その表現の玄微に好んで骨を鏤る。畢竟は我がふたつなき楽みを我と楽むのである。ただ志して未だ風韻の神に到らず、境涯整はずして、また未だ苦吟の傷痕を脱し得ざるを恥づる。
望んであまりに遼遠なるが故に、深く頭を垂れるのである。
昭和四年 立秋
白秋
古代新頌
水上
水上は思ふべきかな。
苔清水湧きしたたり、
日の... | 底本:「白秋全集 5」岩波書店
1986(昭和61)年9月5日発行
底本の親本:「海豹と雲」アルス
1929(昭和4)年8月28日
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5-86)を、大振りにつくっています。
入力:岡村和彦
校正:大沢たかお
2012年8月24日作成
2012年11月25日修正
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| {"作品ID": "052353", "作品名": "海豹と雲", "作品名読み": "かいひょうとくも", "ソート用読み": "かいひようとくも", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 911", "文字遣い種別": "新字旧仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2012-10-26T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-16T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/000106/card52353.html", "人物ID": "000106... | 0.271 | 0.633 | 0.262 | 0.043 | 0.289 | Elementary | 27,610 | 0.251068 | 21.853853 | 6.828765 | 0.173943 | 0.968263 | 1.452241 | 0.018544 | 0.479688 | 272.622574 | 0.043463 | 2.711044 |
ほのぼのと軋むは
屋根の風見か、矢ぐるま、
まんじりともせぬわがこころ、
わかれた夜から、夜もすがら、
まだ、あかつきの空かけて、
きりやきり、きりやほろろ。 | 底本:「白秋全集 3」岩波書店
1985(昭和60)年5月7日発行
底本の親本:「白秋全集 第二巻 詩集第二」アルス
1929(昭和4)年12月10日
※本作品は底本の親本の「雪と花火」の「銀座の雨」に収められています。
入力:岡村和彦
校正:フクポー
2017年1月12日作成
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| {"作品ID": "055756", "作品名": "風見", "作品名読み": "かざみ", "ソート用読み": "かさみ", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 911", "文字遣い種別": "新字旧仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2017-03-13T00:00:00", "最終更新日": "2017-01-14T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/000106/card55756.html", "人物ID": "000106", "姓": "北原"... | 0.438 | 0.552 | 0.362 | 0 | 0.7 | Intermediate | 79 | 0.113924 | 78 | 6.444444 | 0.673469 | 0.888889 | 1.612245 | 0 | 0.453291 | 0 | 0 | 4.384848 |
序
虚と実とは裏と表である。実にして虚、虚にして実なるが故に尊い。何れは先づ実相のまことを観、観て、深く到り得て、更に高く離れむ事をわたくしは願つてゐる。
実相に新旧のけぢめは無い。常に正しく新らしいからである。これを旧しとなすは観て馴れ過ぎたからである。一時の流行は時とともに滅びる。而も人はただ新奇を奔り求める事に於てのみ、その詩境を進め得るものと思つてゐる。然し何ぞ知らむ。此の東に於てひたすら彼の西の旧を趁うて新らしと成す秋に、却て西に於ては此の東方に道を求める事が常に新風発生の素因を成してゐる。かうなると何が新らしいかと思はせられる。
再び云ふ。実相のまことこそ常に正しく新らしいものである。いつ観てもまことなる事に於て... | 底本:「白秋全集 8」岩波書店
1985(昭和60)年7月5日発行
底本の親本:「観相の秋」アルス
1922(大正11)年8月1日発行
初出:ある人の庭「表現 2巻1号」
1922(大正11)年1月1日
紅葉を焚いて「潮音 5巻1号」
1919(大正8)年1月1日
山中消息「詩篇 3編1輯」
1919(大正8)年1月1日
秋山の歌「大観 5巻2号」実業之日本社
1922(大正11)年2月1日
孟宗と月「大観 5巻2号」実業之日本社
1922(大正11)年2月1日
冬の山そば「大観 5巻2号」実業之日本社
1922(大正11)年2月1日
竹林の早春「大... | {"作品ID": "053242", "作品名": "観相の秋", "作品名読み": "かんそうのあき", "ソート用読み": "かんそうのあき", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "ある人の庭「表現\u30002巻1号」1922(大正11)年1月1日<br>紅葉を焚いて「潮音\u30005巻1号」1919(大正8)年1月1日<br>山中消息「詩篇\u30003編1輯」1919(大正8)年1月1日<br>秋山の歌「大観\u30005巻2号」実業之日本社、1922(大正11)年2月1日<br>孟宗と月「大観\u30005巻2号」実業之日本社、1922(大正11)年2月1日<br>冬の山そば「... | 0.408 | 0.624 | 0.225 | 0.051 | 0.591 | Intermediate | 19,610 | 0.281234 | 33.035211 | 6.646963 | 0.200739 | 0.934361 | 1.510553 | 0.004539 | 0.366007 | 625.470591 | 0.050994 | 4.080058 |
黎明の不尽
天地の闢けしはじめ、成り成れる不尽の高嶺は白妙の奇しき高嶺、駿河甲斐二国かけて八面に裾張りひろげ、裾広に根ざし固めて、常久に雪かつぐ峰、かくそそり聳やきぬれば、厳しくも正しき容、譬ふるに物なき姿、いにしへもかくや神さび神ながら今に古りけむ。たまたまに我や旅行き、行きなづみ振さけ見れば、妻と来てつつしみ仰げば、あなかしこ照る日もわかず、暮れゆけば雲巻き蔽ひ、霹靂はためくさへに、稲光青の火柱、火ばしらの飛ぶ火のただち、また、とどろ雹ぞ飛びたる。御殿場のここの駅路、一夜寝て午夜ふけぬれば、まだ深き戸外の闇に、早や目ざめ猟犬が群、勢ひ起き鎖曳きわき、跳り立ち啼き立ち急くに、朝猟の公達か、あな、ひとしきり飛び連れ下りる騒ぞきの... | 底本:「白秋全集 8」岩波書店
1985(昭和60)年7月5日発行
底本の親本:「大觀 二月號 大隈侯哀悼號 第五卷第貳號」實業之日本社
1922(大正11)年2月1日発行
初出:「大觀 二月號 大隈侯哀悼號 第五卷第貳號」實業之日本社
1922(大正11)年2月1日発行
入力:フクポー
校正:岡村和彦
2016年9月9日作成
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| {"作品ID": "057974", "作品名": "観想の時", "作品名読み": "かんそうのとき", "ソート用読み": "かんそうのとき", "副題": "――長歌体詩篇二十一――", "副題読み": "――ちょうかたいしへんにじゅういち――", "原題": "", "初出": "「大觀\u3000二月號\u3000大隈侯哀悼號\u3000第五卷第貳號」實業之日本社、1922(大正11)年2月1日", "分類番号": "NDC 911", "文字遣い種別": "新字旧仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2016-10-12T00:00:00", "最終更新日": "2016-09-09T00:00:... | 0.392 | 0.626 | 0.236 | 0 | 0.551 | Intermediate | 9,227 | 0.289802 | 31.28169 | 6.638743 | 0.235275 | 0.931563 | 1.513864 | 0.000434 | 0.374904 | 595.702341 | 0 | 3.924331 |
一
「ほら、あれがお城だよ」
私は振り返った。私の背後からは円い麦稈帽に金と黒とのリボンをひらひらさして、白茶の背広に濃い花色のネクタイを結んだ、やっと五歳と四ヶ月の幼年紳士がとても潔よく口をへの字に引き緊めて、しかもゆたりゆたりと歩いていた。地蔵眉の、眼が大きく、汗がじりじりとその両の頬に輝いている。
名鉄の電車を乗り捨てて、差しかかった白い白い大鉄橋――犬山橋――の鮮かな近代風景の裏のことである。
暑い、暑い。パナマ帽に黒の上衣は脱いで、抱えて、ワイシャツの片手には鶏の首のついたマホガニーの農民美術のステッキをついてゆく、その子の父の私であった。
「うん、そうか」
父と子とはその鉄橋の中ほどで立ちどまると、下手向きの白... | 底本:「日本八景 八大家執筆」平凡社ライブラリー、平凡社
2005(平成17)年3月10日初版第1刷
底本の親本:「日本八景―十六大家執筆」大阪毎日新聞社、東京日日新聞社
1928(昭和3)年8月15日再版
※「船」と「舟」の混用は、底本通りです。
入力:sogo
校正:岡村和彦
2015年5月24日作成
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| {"作品ID": "056563", "作品名": "木曾川", "作品名読み": "きそがわ", "ソート用読み": "きそかわ", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 915", "文字遣い種別": "新字新仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2015-08-15T00:00:00", "最終更新日": "2015-08-01T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/000106/card56563.html", "人物ID": "000106", "姓": "... | 0.477 | 0.644 | 0.206 | 0.284 | 0.582 | Intermediate | 26,013 | 0.339061 | 33.255034 | 6.670068 | 0.205862 | 0.940023 | 1.48918 | 0.019183 | 0.316477 | 583.194018 | 0.284473 | 4.765116 |
きらら。 雲母。うんも。玉のたぐひにて、五色のひかりあり。深山の石の間にいでくるものにて、紙をかさねたるごとくかさなりあひて、剥げば、よくはがれて、うすく、紙のやうになれども、火にいれてもやけず。水にいれてもぬるゝことなし。和名(雲母(和名、 岐良々))
『日本大辞林』
新生 序歌
力
煌々と光りて動く山ひとつ押し傾けて来る力はも
卵
煌々と光りて深き巣のなかは卵ばつかりつまりけるかも
大きなる手があらはれて昼深し上から卵をつかみけるかも
かなしきは春画の上にころがれる七面鳥の卵なりけり
大鴉
大鴉一羽渚に黙ふかしうしろにうごく漣の列
大鴉一羽地に下り昼深しそれを眺めてまた一羽来し
昼渚... | 底本:「白秋全集 7」岩波書店
1985(昭和60)年3月5日発行
底本の親本:「雲母集」阿蘭陀書房
1915(大正4)年8月12日初版発行
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5-86)を、大振りにつくっています。
※図は、底本の親本からとりました。
入力:光森裕樹
校正:岡村和彦
2014年9月11日作成
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わがこの哀れなる抒情歌集を誰にかは献げむ
はらからよわが友よ忘れえぬ人びとよ
凡てこれわかき日のいとほしき夢のきれはし
Tonka John
桐の花とカステラ
27. Ⅴ. 10
桐の花とカステラの時季となつた。私は何時も桐の花が咲くと冷めたい吹笛の哀音を思ひ出す。五月がきて東京の西洋料理店の階上にさはやかな夏帽子の淡青い麦稈のにほひが染みわたるころになると、妙にカステラが粉つぽく見えてくる。さうして若い客人のまへに食卓の上の薄いフラスコの水にちらつく桐の花の淡紫色とその暖味のある新しい黄色さとがよく調和して、晩春と初夏とのやはらかい気息のアレンヂメントをしみじみと感ぜしめる。私にはそのばさばさしてどこか手さ... | 底本:「白秋全集 6」岩波書店
1985(昭和60)年1月7日発行
底本の親本:「桐の花 抒情歌集」東雲堂書店
1913(大正2)年1月25日発行
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5-86)を、大振りにつくっています。
※図は、底本の親本からとりました。
入力:光森裕樹
校正:岡村和彦
2014年9月26日作成
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| {"作品ID": "056857", "作品名": "桐の花", "作品名読み": "きりのはな", "ソート用読み": "きりのはな", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 911", "文字遣い種別": "新字旧仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2014-10-14T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-26T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/000106/card56857.html", "人物ID": "000106", "姓":... | 0.842 | 0.627 | 0.219 | 0.04 | 1 | Expert | 45,806 | 0.297952 | 92.644628 | 6.621849 | 0.179594 | 0.932591 | 1.607679 | 0.030607 | 0.336454 | 99,842.15057 | 0.040388 | 8.41525 |
桐の花とカステラの時季となつた。私は何時も桐の花が咲くと冷めたい吹笛の哀音を思ひ出す。五月がきて東京の西洋料理店の階上にさはやかな夏帽子の淡青い麦稈のにほひが染みわたるころになると、妙にカステラが粉つぽく見えてくる。さうして若い客人のまへに食卓の上の薄いフラスコの水にちらつく桐の花の淡紫色とその暖味のある新しい黄色さとがよく調和して、晩春と初夏とのやはらかい気息のアレンヂメントをしみじみと感ぜしめる。私にはそのばさばさしてどこか手さはりの渋いカステラがかかる場合何より好ましく味はれるのである。粉つぽい新らしさ、タツチのフレツシユな印象、実際触つて見ても懐かしいではないか。同じ黄色な菓子でも飴のやうに滑つこいのはぬめぬめした油絵や水... | 底本:「日本の名随筆 別巻30 短歌」作品社
1993(平成5)年8月25日第1刷発行
底本の親本:「日本近代文学大系 第二八巻――北原白秋集」角川書店
1970(昭和45)年4月発行
入力:浦山敦子
校正:noriko saito
2010年3月2日作成
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| {"作品ID": "050252", "作品名": "桐の花とカステラ", "作品名読み": "きりのはなとカステラ", "ソート用読み": "きりのはなとかすてら", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 914", "文字遣い種別": "新字旧仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2010-04-06T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-21T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/000106/card50252.html", "人物ID":... | 0.592 | 0.635 | 0.233 | 0.31 | 1 | Advanced | 3,226 | 0.301922 | 52.559322 | 6.686858 | 0.333167 | 0.942505 | 1.613807 | 0.061686 | 0.285433 | 1,156.483769 | 0.309981 | 5.917677 |
序
黒檜の沈静なる、花塵をさまりて或は識るを得べきか。
薄明二年有半、我がこの境涯に住して、僅かにこの風懐を遣る。もとより病苦と闘つて敢て之に克たむとするにもあらず、幽暗を恃みて亦之を世に愬へむとにもあらず、ただ煙霞余情の裡、平生の和敬ひとへに我と我が好める道に終始したるのみ。
「黒檜」一巻、秘して寧ろ密かに我といつくしむべく、梓に上して些か我が真実の謬られむことをおそる。他に言ふところなし。
庚辰孟夏
白秋
上巻
熱ばむ菊
駿台月夜
照る月の冷さだかなるあかり戸に眼は凝らしつつ盲ひてゆくなり
月読は光澄みつつ外に坐せりかく思ふ我や水の如かる
朝
鶏の声けぶかき闇にたちにしがよく聴けば市の病院にして
... | 底本:「歌集 黒檜」短歌新聞社文庫、短歌新聞社
1994(平成6)年8月25日初版発行
2002(平成14)年1月10日再版発行
底本の親本:「黒檜」八雲書林
1940(昭和15)年8月13日
初出:「黒檜」八雲書林
1940(昭和15)年8月13日
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5-86)を、大振りにつくっています。
※小見出しよりもさらに下位の見出しには、注記しませんでした。
入力:岡村和彦
校正:光森裕樹
2014年9月21日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校... | {"作品ID": "052301", "作品名": "黒檜", "作品名読み": "くろひ", "ソート用読み": "くろひ", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "「黒檜」八雲書林、1940(昭和15)年8月13日", "分類番号": "NDC 911", "文字遣い種別": "新字旧仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2014-10-05T00:00:00", "最終更新日": "2014-10-07T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/000106/card52301.html", "人... | 1 | 0.645 | 0.224 | 0.02 | 1 | Expert | 22,945 | 0.346786 | 374.639344 | 6.656152 | 0.235944 | 0.936911 | 1.556121 | 0.008455 | 0.336327 | 1,729,538.460091 | 0.019612 | 10 |
「芸術の円光」は昭和二年三月、アルスより刊行された。詩論集として、わたくしの「詩と音楽」時代を代表するものである。
初版は四六判本文五百三十頁、その装幀は自身の考案になつて、漆黒の、独逸製カンヴアス・クロースに、フアブル昆虫記の中から選んだ蜜蜂図を金押ししたものである。たゞ題字の類のみはすべて恩地孝四郎画伯を煩した。
内容については、すでに初版の後記に述べたごとくであるが、この文庫版に於ては、最後の章「山荘より」竝に「山荘主人手記」の二篇を割愛した。一は雑誌「詩と音楽」の鵞ペンであり、一は大震災前後の手記であつて、詩論集としてはいさゝかこれと趣きを異にしてゐるからである。
昭和十三年二月十一日
白秋 | 底本:「白秋全集 18」岩波書店
1985(昭和60)年12月5日
底本の親本:「芸術の円光」白秋文庫、アルス
1938(昭和13)年2月19日初版発行
初出:「芸術の円光」白秋文庫、アルス
1938(昭和13)年2月19日初版発行
※底本における表題「文庫版『芸術の円光』覚書」は、出版社により底本名を補われております。青空文庫でも、底本名を補い、作品名を「文庫版「芸術の円光」覚書」としました。
入力:岡村和彦
校正:川山隆
2011年12月4日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたった... | {"作品ID": "054191", "作品名": "文庫版「芸術の円光」覚書", "作品名読み": "ぶんこばん「げいじゅつのえんこう」おぼえがき", "ソート用読み": "けいしゆつのえんこうおほえかき", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "「芸術の円光」白秋文庫、アルス、1938(昭和13)年2月19日", "分類番号": "NDC 914", "文字遣い種別": "新字旧仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2012-01-27T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-16T00:00:00", "図書カードURL": "https://w... | 0.624 | 0.616 | 0.286 | 0.82 | 0.72 | Advanced | 305 | 0.409836 | 42 | 6.152 | 0.536946 | 0.856 | 1.502463 | 0.062295 | 0.337087 | 532.571429 | 0.819672 | 6.235298 |
春
鶯眠る花楮
月は翁の面のうへ
皷うてうておもしろく
春はふたたび花楮
秋
秋はほのかに寢ざめして
あはれと思ふ幾夜さぞ
とすれば白う吹き立ちて
月夜の風も消えゆけり | 底本:「古調月明集」昭森社
1940(昭和15)年9月10日
初出:「古調月明集」昭森社
1940(昭和15)年9月10日
※副題は底本では、「月明二章[#改行][#1段階小さな文字]古調月明集に寄す[#小さな文字終わり]」となっています。
入力:竹井真
校正:植松健伍
2020年10月28日作成
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| {"作品ID": "060457", "作品名": "古調月明集", "作品名読み": "こちょうげつめいしゅう", "ソート用読み": "こちようけつめいしゆう", "副題": "01 月明二章", "副題読み": "01 げつめいにしょう", "原題": "", "初出": "「古調月明集」昭森社、1940(昭和15)年9月10日", "分類番号": "NDC 911", "文字遣い種別": "旧字旧仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2020-11-02T00:00:00", "最終更新日": "2020-10-28T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora... | 0.749 | 0.66 | 0.335 | 0 | 0.7 | Advanced | 88 | 0.284091 | 88 | 7 | 0.672414 | 1 | 1.517241 | 0 | 0.405186 | 0 | 0 | 7.493333 |
父上に献ぐ
父上、父上ははじめ望み給はざりしかども、児は遂にその生れたるところにあこがれて、わかき日をかくは歌ひつづけ候ひぬ。もはやもはや咎め給はざるべし。
邪宗門扉銘
ここ過ぎて曲節の悩みのむれに、
ここ過ぎて官能の愉楽のそのに、
ここ過ぎて神経のにがき魔睡に。
詩の生命は暗示にして単なる事象の説明には非ず。かの筆にも言語にも言ひ尽し難き情趣の限なき振動のうちに幽かなる心霊の欷歔をたづね、縹渺たる音楽の愉楽に憧がれて自己観想の悲哀に誇る、これわが象徴の本旨に非ずや。されば我らは神秘を尚び、夢幻を歓び、そが腐爛したる頽唐の紅を慕ふ。哀れ、我ら近代邪宗門の徒が夢寝にも忘れ難きは青白き月光のもとに欷歔く大理石の嗟嘆也。... | 底本:「白秋全集 1」岩波書店
1984(昭和59)年12月5日発行
底本の親本:「邪宗門」易風社
1909(明治42)年3月15日発行
入力:kompass
校正:今井忠夫
2003年11月24日作成
2005年10月24日修正
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| {"作品ID": "004850", "作品名": "邪宗門", "作品名読み": "じゃしゅうもん", "ソート用読み": "しやしゆうもん", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 911", "文字遣い種別": "新字旧仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2003-12-01T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-18T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/000106/card4850.html", "人物ID": "000106", "... | 0.488 | 0.62 | 0.253 | 0 | 0.874 | Intermediate | 37,923 | 0.277167 | 42.826969 | 6.612691 | 0.157406 | 0.932261 | 1.486011 | 0.008544 | 0.460083 | 1,108.283903 | 0 | 4.878797 |
『東京にはお星さんがないよ。』
と、うちの子はよく言ふ。
『ああ、ああ、俺には書斎がない。』
これはその父であるわたくし自身の嘆息である。
まつたく小田原の天神山はあらゆる星座の下に恵まれてゐた。山景風光ともにすぐれて明るかつたが、階上のバルコンや寝室から仰ぐ夜空の美しさも格別であつた。これが東京へ来てほとんど見失つて了つた。それでもまだこの谷中の墓地はいい。時とすると晴れわたつた満月の夜などに水水しい木星の瞬きも光る。だが、うちの庭からは菩提樹や椎の木立に遮られて、坊やの瞳には映らない。
それから、ここの家である。庭は広く、木も立ちこんで、廂の深い、それは古風な幽雅な趣きもあり、豊かな気持もあるが、どの室にも日光が直接には... | 底本:「日本の名随筆 別巻6 書斎」作品社
1991(平成3)年8月25日第1刷発行
底本の親本:「白秋全集 第一三巻」アルス
1930(昭和5)年6月
入力:土屋隆
校正:noriko saito
2006年8月3日作成
青空文庫作成ファイル:
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| {"作品ID": "002424", "作品名": "書斎と星", "作品名読み": "しょさいとほし", "ソート用読み": "しよさいとほし", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 914", "文字遣い種別": "新字旧仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2006-09-29T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-18T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/000106/card2424.html", "人物ID": "000106", ... | 0.448 | 0.597 | 0.207 | 0.229 | 0.46 | Intermediate | 1,094 | 0.256856 | 30.735294 | 6.455516 | 0.365253 | 0.896797 | 1.49658 | 0.006399 | 0.239567 | 323.25346 | 0.228519 | 4.481048 |
序
白南風は送梅の風なり。白光にして雲霧昂騰し、時によりて些か小雨を雑ゆ。鬱すれども而も既に輝き、陰湿漸くに霽れて、愈〻に孟夏の青空を望む。その薫蒸するところ暑く、その蕩揺するところ、日に新にして流る。かの白栄と言ひ、白映と作すところのもの是也。蓋し又、此の白映の候に中りて、茲に我が歌興の煙霞と籠るところ多きを以て、採つて題名とす。もとより本集の歌品秋冬に尠く、春夏に多きもその故なり。
我が短歌に念持するところのもの、即ち古来の定型にして、他奇なし。ただ僅かに我が歌調を這箇の中に築かむとするのみ。その自然の観照に於ては、必ずしも名山大沢に之を索めず、居に従ひて選ぶ平々凡々の四囲に過ぎず。又、その生活感情の本とするところに於... | 底本:「白秋全集 10」岩波書店
1986(昭和61)年4月7日発行
底本の親本:「白南風」アルス
1934(昭和9)年4月20日発行
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5-86)を、大振りにつくっています。
※「黒檜」に対するルビの「くろび」と「くろひ」、茅蜩に対するルビの「かなかな」と「ひぐらし」、「坐」に対するルビの「ま」と「すわ」の混在は、底本通りです。
※小見出しよりもさらに下位の見出しには、注記しませんでした。
※「中垣 世田ヶ谷時代」の素描画は山本鼎(1882年10月24日~1946年10月8日)作です。
入力:光森裕樹
校正:岡村和彦
2014年12月15日作成
青空文庫作成ファイル... | {"作品ID": "056910", "作品名": "白南風", "作品名読み": "しらはえ", "ソート用読み": "しらはえ", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 911", "文字遣い種別": "新字旧仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2015-01-25T00:00:00", "最終更新日": "2014-12-15T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/000106/card56910.html", "人物ID": "000106", "姓": "... | 1 | 0.644 | 0.213 | 0.023 | 1 | Expert | 50,042 | 0.335099 | 168.795222 | 6.682092 | 0.167052 | 0.94144 | 1.561958 | 0.007933 | 0.342844 | 354,491.555336 | 0.022981 | 10 |
序
白南風は送梅の風なり。白光にして雲霧昂騰し、時によりて些か小雨を雜ゆ。欝すれども而も既に輝き、陰濕漸くに霽れて、愈〻に孟夏の青空を望む。その薫蒸するところ暑く、その蕩搖するところ、日に新にして流る。かの白榮と言ひ、白映と作すところのもの是也。蓋し又、此の白映の候に中りて、茲に我が歌興の煙霞と籠るところ多きを以て、採つて題名とす。もとより本集の歌品秋冬に尠く、春夏に多きもその故なり。
我が短歌に念持するところのもの、即ち古來の定型にして、他奇なし。ただ僅かに我が歌調を這個の中に築かむとするのみ。その自然の觀照に於ては、必ずしも名山大澤に之を索めず、居に從ひて選ぶ平々凡々の四圍に過ぎず。又、その生活感情の本とするところに... | 底本:「白南風」アルス
1934(昭和9)年4月20日発行
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5-86)を、大振りにつくっています。
※「木※[#「木+解」、第3水準1-86-22]」と「木槲」、「竹煮草」と「竹※[#「睹のつくり/火」、第3水準1-87-52]ぐさ」の混在は、底本通りです。
※小見出しよりもさらに下位の見出しには、注記しませんでした。
※「中垣(世田ヶ谷時代)」の素描画は山本鼎(1882年10月24日~1946年10月8日)作です。
入力:岡村和彦
校正:光森裕樹
2014年12月15日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.... | {"作品ID": "052391", "作品名": "白南風", "作品名読み": "しらはえ", "ソート用読み": "しらはえ", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 911", "文字遣い種別": "旧字旧仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2015-01-25T00:00:00", "最終更新日": "2014-12-15T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/000106/card52391.html", "人物ID": "000106", "姓": "... | 1 | 0.647 | 0.217 | 0.023 | 1 | Expert | 50,498 | 0.33233 | 171.556701 | 6.723454 | 0.161361 | 0.949708 | 1.551779 | 0.007901 | 0.355804 | 363,660.769122 | 0.022773 | 10 |
自ラノ真実ヲ真実トスルコト、
金ヲ金トシ悲シムコト、
吹ク風ノオノレソヨギ、
薔薇ト野菜ノムキムキニ咲キ、
鳥ノ飛ビ、魚ノオヨギ、虫ノ匍フコト、
男ヲンナノツツマシク連レ添フコト、
ミナアハレナリ、シンジツニ。
ミナアハレナリ。 | 底本:「白秋全集 3」岩波書店
1985(昭和60)年5月7日発行
底本の親本:「白秋全集 第三巻」アルス
1930(昭和5)年7月19日
※本編は底本の親本の「白金ノ独楽」の「現身鈔」の章に入っているものです。
入力:岡村和彦
校正:フクポー
2017年8月25日作成
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| {"作品ID": "055767", "作品名": "真実", "作品名読み": "しんじつ", "ソート用読み": "しんしつ", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 911", "文字遣い種別": "新字旧仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2017-09-19T00:00:00", "最終更新日": "2017-08-25T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/000106/card55767.html", "人物ID": "000106", "姓": "北... | 0 | 0.636 | 0.527 | 0 | 1 | Beginner | 114 | 0.201754 | 55.5 | 7 | 0.627119 | 1 | 1.932203 | 0.640351 | 0.668001 | 2,352.25 | 0 | 0 |
印度更紗の言葉
心ゆくまでわれはわが思ふほどのことをしつくさむ。ありのまま、生きのまま、光り耀く命のながれに身を委ねむ。れうらんたれ、さんらんたれ。わがうたはまた、印度更紗の類ひならねど渋くつや出せ、かつ煙れ。
千九百十四年九月白秋
真珠抄 短唱
わが心は玉の如し、時に曇り、折にふれて虔ましき悲韻を成す。哀歓とどめがたし、ただ常住のいのちに縋る。真実はわが所念、真珠は海の秘宝、音に秘めて涙ながせよ。
潤ほひあれよ真珠玉幽かに煙れわがいのち
永日礼讃
ひと日海のほとり、斜なる草原の中に寝ころびぬ。日の光十方にあまねく、身をかくすよすがもなし。真実にただひとり、人間ものもあらざれば感極まりて乃ち涙... | 底本:「白秋全集 3」岩波書店
1985(昭和60)年5月7日発行
底本の親本:「印度更紗第壱輯 真珠抄及び短歌」金尾文淵堂
1914(大正3)年9月1日発行
入力:飛鷹美緒
校正:フクポー
2016年12月9日作成
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| {"作品ID": "050900", "作品名": "真珠抄", "作品名読み": "しんじゅしょう", "ソート用読み": "しんしゆしよう", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 911", "文字遣い種別": "新字旧仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2017-01-25T00:00:00", "最終更新日": "2016-12-09T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/000106/card50900.html", "人物ID": "000106", ... | 1 | 0.636 | 0.263 | 0.015 | 1 | Expert | 3,448 | 0.296984 | 170.65 | 6.713867 | 0.37019 | 0.949219 | 1.679493 | 0.012761 | 0.342521 | 354,338.4275 | 0.014501 | 10 |
海道東征
海道東征
第一章 高千穂
男声(独唱竝に合唱)
神坐しき、蒼空と共に高く、
み身坐しき、皇祖。
邈かなり我が中空、
窮み無し皇産霊、
いざ仰げ世のことごと、
天なるや崇きみ生を。
国成りき、綿津見の潮と稚く、
凝り成しき、この国土。
邈かなり我が国生、
おぎろなし天の瓊鉾、
いざ聴けよそのこをろに、
大八洲騰るとよみを。
皇統や、天照らす神の御裔、
代々坐しき、日向すでに。
邈かなり我が高千穂、
かぎりなし千重の波折、
いざ祝げよ日の直射す
海山のい照る宮居を。
神坐しき、千五百秋瑞穂の国、
皇国ぞ豊葦原。
邈かなり我が肇国、
窮み無し天つみ業、
... | 底本:「白秋全集 5」岩波書店
1986(昭和61)年9月5日発行
底本の親本:「新頌」八雲書林
1940(昭和15)年10月15日
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5-86)を、大振りにつくっています。
※底本には底本の親本の「表紙」「本扉」の写真、「中扉」の「詩集 皇紀二千六百年記念」、「中扉裏」の「八雲書林刊」が冒頭にありますが省きました。
入力:岡村和彦
校正:川山隆
2011年2月11日作成
2011年12月6日修正
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、... | {"作品ID": "052354", "作品名": "新頌", "作品名読み": "しんしょう", "ソート用読み": "しんしよう", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 911", "文字遣い種別": "新字旧仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2011-03-01T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-21T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/000106/card52354.html", "人物ID": "000106", "姓": ... | 0.342 | 0.644 | 0.284 | 0.063 | 0.897 | Elementary | 17,593 | 0.339737 | 44.095745 | 6.663209 | 0.222037 | 0.940606 | 1.467428 | 0.003922 | 0.511382 | 10,811.990833 | 0.062525 | 3.424258 |
海道東征
海道東征
第一章 高千穗
男聲(獨唱竝に合唱)
神坐しき、蒼空と共に高く、
み身坐しき、皇祖。
邈かなり我が中空、
窮み無し皇産靈、
いざ仰げ世のことごと、
天なるや崇きみ生を。
國成りき、綿津見の潮と稚く、
凝り成しき、この國土。
邈かなり我が國生、
おぎろなし天の瓊鉾、
いざ聽けよそのこをろに、
大八洲騰るとよみを。
皇統や、天照らす神の御裔、
代々坐しき、日向すでに。
邈かなり我が高千穗、
かぎりなし千重の波折、
いざ祝げよ日の直射す
海山のい照る宮居を。
神坐しき、千五百秋瑞穗の國、
皇國ぞ豐葦原。
邈かなり我が肇國
窮み無し天つみ業、
... | 底本:「白秋詩歌集 第二卷」河出書房
1941(昭和16)年2月19日発行
※「後記」は「白秋詩歌集 第二卷」に対するものであるが「新頌」の見出しのつく部分のみを本文末に付記しました。
※「艪」と「艫」の混在は底本通りにしました。
入力:岡村和彦
校正:川山隆
2011年2月10日作成
2011年3月6日修正
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このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
| {"作品ID": "052370", "作品名": "新頌", "作品名読み": "しんしょう", "ソート用読み": "しんしよう", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 911", "文字遣い種別": "旧字旧仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2011-03-01T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-21T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/000106/card52370.html", "人物ID": "000106", "姓": ... | 0.346 | 0.646 | 0.28 | 0.03 | 0.739 | Elementary | 11,679 | 0.328624 | 35.106796 | 6.719385 | 0.228205 | 0.949974 | 1.426007 | 0.006079 | 0.504744 | 1,437.681151 | 0.029968 | 3.457438 |
去年の秋、小田原の近在に意外の大惨虐が行はれた。恐らく、この吾が人生に於ける悲劇中の悲劇であらう。而かも私は、未だ曾てかゝる神聖無垢な殺人犯を見た事が無い。清純にして無邪、真実にして玲瓏の極、のみならず、単純無比にして深刻無比。而かもまた無心無我の極にあつて、既に恐るべき悪魔的天才の萌芽を示した雋鋭錐の如き近代の神経と感覚。驚くべきこの犯罪はただ手もなくやつつけられた。このすばらしい犯人こそ当年五歳の男の児に外ならなかつた。
この犯罪は更に他に戦慄すべきそれ以上の犯罪を生むだ。そればかりではない、更にまた血みどろの自殺者を二人まで出して了つた。一家族の全滅である。
それがまた、ほんの突嗟――永くて五分か十分――の出来事であつた... | 底本:「日本の名随筆 別巻85 少年」作品社
1998(平成10)年3月25日第1刷発行
底本の親本:「白秋全集 第一六巻」
1985(昭和60)年8月
入力:浦山敦子
校正:noriko saito
2008年1月26日作成
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このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
| {"作品ID": "047048", "作品名": "神童の死", "作品名読み": "しんどうのし", "ソート用読み": "しんとうのし", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 914", "文字遣い種別": "新字旧仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2008-02-17T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-21T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/000106/card47048.html", "人物ID": "000106", "... | 0.434 | 0.631 | 0.208 | 0.132 | 0.57 | Intermediate | 4,924 | 0.30788 | 30.444444 | 6.632586 | 0.253573 | 0.933377 | 1.497112 | 0.020106 | 0.294262 | 707.619463 | 0.132006 | 4.33856 |
私が東京に着いて一番に鋭く感じたのは新橋停車場の匂でした。門司ではバナナや鳳梨の匂を嗅ぎながら税関の前に出るとすぐ煤烟のなかを小蒸汽に乗つて関門海峡を渡つたので都会と云ふ印象よりも殖民地といふ感が強かつた、究竟、都会としての歴史や奥行といふものがなく出口と入口とが同一になつてゐるからであらう。その他、神戸大阪京都名古屋と云ふ順序で東海道の各都会を通過しては来たものの、それはただ旅愁の対象として味ははれたに過ぎぬ。夜見た処は女の横顔の様に月光と電気灯とで美くしく、昼間一瞥し去つた所は汚ない芥蘚病の乞食の背部を見るやうで醜かつたにせよ、何れの停車場附近にも一種の明状し難い都会と田園とのアランジユメントがあつた。即ち汽車に附着いて来た新... | 底本:「日本の名随筆 別巻95 明治」作品社
1999(平成11)年1月25日第1刷発行
底本の親本:「白秋全集 第三五巻」岩波書店
1987(昭和62)年11月
入力:ふろっぎぃ
校正:門田裕志
2002年1月11日公開
2005年12月14日修正
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| {"作品ID": "002409", "作品名": "新橋", "作品名読み": "しんばし", "ソート用読み": "しんはし", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 914 915", "文字遣い種別": "新字旧仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2002-01-11T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-17T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/000106/card2409.html", "人物ID": "000106", "姓":... | 0.795 | 0.659 | 0.231 | 0.204 | 0.948 | Expert | 1,964 | 0.391039 | 64.233333 | 6.665365 | 0.40031 | 0.936198 | 1.523662 | 0.029532 | 0.272833 | 825.578889 | 0.203666 | 7.94956 |
私の郷里柳河は水郷である。さうして静かな廃市の一つである。自然の風物は如何にも南国的であるが、既に柳河の街を貫通する数知れぬ溝渠のにほひには日に日に廃れてゆく旧い封建時代の白壁が今なほ懐かしい影を映す。肥後路より、或は久留米路より、或は佐賀より筑後川の流を越えて、わが街に入り来る旅びとはその周囲の大平野に分岐して、遠く近く瓏銀の光を放つてゐる幾多の人工的河水を眼にするであらう。さうして歩むにつれて、その水面の随所に、菱の葉、蓮、真菰、河骨、或は赤褐黄緑その他様々の浮藻の強烈な更紗模様のなかに微かに淡紫のウオタアヒヤシンスの花を見出すであらう。水は清らかに流れて廃市に入り、廃れはてた Noskai 屋(遊女屋)の人もなき厨の下を流れ... | 底本:「現代日本紀行文学全集 南日本編」ほるぷ出版
1976(昭和51)年8月1日初版発行
底本の親本:「思ひ出 抒情小曲集」東雲堂書店
1911(明治44)年6月7日発行
※誤植を疑った箇所を、底本の親本の表記にそって、あらためました。
入力:林 幸雄
校正:浅原庸子
2004年6月16日作成
2007年11月17日修正
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| {"作品ID": "004986", "作品名": "水郷柳河", "作品名読み": "すいごうやながわ", "ソート用読み": "すいこうやなかわ", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 914 915", "文字遣い種別": "新字旧仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2004-07-17T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-18T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/000106/card4986.html", "人物ID": "000... | 0.735 | 0.655 | 0.224 | 0.197 | 1 | Advanced | 7,622 | 0.3709 | 67.627273 | 6.689423 | 0.323738 | 0.943049 | 1.50276 | 0.01089 | 0.300711 | 2,268.688347 | 0.196799 | 7.349264 |
大序
一
「雀の卵」が完成した。いよいよ完成した。と、思ふと思はず深い溜息がつかれた。ほつとしたのである。
今、四校目の訂正をして、やつと済ましたところである。窓から見てゐると裏の小竹林には鮮緑色の日光が光りそよいでゐる。丘の松には蝉が鳴いて、あたりの草むらにも草蝉が鳴きしきつてゐる。南のバルコンに出て見ると、海がいい藍色をしてゐる。寺内の栗やかやの木や孟宗の涼しい風の上を燕が飛び翔つてゐる。雀も庭の枇杷の木の上で何かしてゐる。瀬の音もするやうだが、向ふの松風の下から浮々した笛や太鼓の囃子がきこえる。今日は盂蘭盆の十四日である。
長い苦しみであつた。かう思ふとまた、目の中が火のやうに熱くなつた。
「雀の卵」此の一巻こそ私の... | 底本:「白秋全集 7」岩波書店
1985(昭和60)年3月5日発行
底本の親本:「雀の卵」アルス
1921(大正10)年8月23日初版発行
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5-86)を、大振りにつくっています。
※複数行にかかる中括弧には、けい線素片をあてました。
※小見出しよりもさらに下位の見出しには、注記しませんでした。
入力:岡村和彦
校正:光森裕樹
2014年10月13日作成
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| {"作品ID": "052390", "作品名": "雀の卵", "作品名読み": "すずめのたまご", "ソート用読み": "すすめのたまこ", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 911", "文字遣い種別": "新字旧仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2014-11-17T00:00:00", "最終更新日": "2014-10-13T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/000106/card52390.html", "人物ID": "000106", ... | 0.735 | 0.63 | 0.202 | 0.105 | 1 | Advanced | 43,842 | 0.319488 | 70.569079 | 6.587278 | 0.15986 | 0.924538 | 1.519969 | 0.002714 | 0.326728 | 242,828.968912 | 0.104922 | 7.354872 |
上
静かにすゝむ時の輪の
軋つたへて幽かにも――
白光、小鳥にゆるゝごと
明日の香ゆらぐ夢の浪
薄紫にたゞよひて
白帆張りゆく霊の舟
円らに薫る軟かぜの
千里の潮の楽の音と
人が息吹は力ある
いのちの韻、永久に
血の脈搏と大闇の
沈黙やぶりて響くまで――
神澄みわたる雪の夜の
聖きひと夜を神秘なる
天の摂理と黙示との
悟うるべく厳かに
書万巻の廬をいでゝ
雪に清しき頬をうたせ
我、鶴氅のよそほひに
鵝毛みだるゝ玉階を
木々の白彩すりぬけて
台にのぼれば雲霽るゝ
天は金沙の星月夜
あふけば諸辰十二宿
銀の瓔珞かゞやかに
宝座をめぐる天宮の
霊彩高く、端厳と
華麗を尽くし真無量
善美まつたく整へば
燦爛として聖天に満つ
永劫の光明と歓... | 底本:「白秋全集 1」岩波書店
1984(昭和59)年12月5日発行
底本の親本:「早稻田學報 第百拾貮號」早稻田學會
1905(明治38)年1月1日発行
初出:「早稻田學報 第百拾貮號」早稻田學會
1905(明治38)年1月1日発行
※初出時の署名は「[#割り注]早稲田大学[#改行]高等予科文科生[#割り注終わり]北原隆吉(射水)」です。
※「蘇《よみかへ》る」と「蘇《よみがへ》る」、「神」に対するルビの「しん」と「かん」と「かみ」、「白銀」に対するルビの「しらがね」と「しろがね」の混在は、底本通りです。
入力:フクポー
校正:岡村和彦
2016年9月9日作成
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このファイルは、インターネッ... | {"作品ID": "057905", "作品名": "全都覚醒賦", "作品名読み": "ぜんとかくせいふ", "ソート用読み": "せんとかくせいふ", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "「早稻田學報 第百拾貮號」早稻田學會、1905(明治38)年1月1日", "分類番号": "NDC 911", "文字遣い種別": "新字旧仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2016-11-02T00:00:00", "最終更新日": "2016-11-25T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/0001... | 1 | 0.669 | 0.277 | 0 | 1 | Expert | 2,557 | 0.378569 | 638.5 | 6.80062 | 0.407448 | 0.964876 | 1.400329 | 0 | 0.414536 | 334,404.75 | 0 | 10 |
古代新頌
懸巣
飛べよ、深山懸巣、
神神はまた目ざめぬ。
磐が根に注連縄ひきはり、
幣帛にしで結ひ垂れ、
真榊の、鏡葉の音さやさやに
うち清めて。
啼けよ早や深山懸巣、
日は若し、かの稚神、
ひむがしはすでにかぎろふ。
菊盛り
少女たち、黄菊には古代のかをりがある。
純粋に日本の寂びと気品がある。
ああ、この静かな菊の香の苑に坐らう。
少女たち、黄菊には九重のみけしきがある。
雲の上の日と月のにほひもする。
わかい帝の御いきづかひが聞える。
少女たち、黄菊には御鏡の明りがある。
森厳な賢所のみけはひも澄む。
皇后宮も白い唐衣でお出ましになる。
少女たち、黄菊には紫宸殿の午後が光る。
高御倉の金の鳳、玉旛の玉や、青地... | 底本:「白秋全集 5」岩波書店
1986(昭和61)年9月5日発行
底本の親本:「白秋全集第四巻」アルス
1931(昭和6)年1月17日
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5-86)を、大振りにつくっています。
入力:岡村和彦
校正:大沢たかお
2012年8月24日作成
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| {"作品ID": "052361", "作品名": "第二海豹と雲", "作品名読み": "だいにかいひょうとくも", "ソート用読み": "たいにかいひようとくも", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 911", "文字遣い種別": "新字旧仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2012-10-29T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-16T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/000106/card52361.html", "人物ID":... | 0.315 | 0.626 | 0.277 | 0.032 | 0.318 | Elementary | 6,344 | 0.250158 | 22.784 | 6.756144 | 0.272685 | 0.955261 | 1.468519 | 0.01529 | 0.464245 | 314.601344 | 0.031526 | 3.150162 |
円燈
飢渇
あな熱し、あな苦し、あなたづたづし。
わが熱き炎の都、
都なる煉瓦の沙漠、
沙漠なる硫黄の海の広小路、そのただなかに、
饑ゑにたるトリイトン神の立像、
水涸れ果てし噴水の大水盤の繞には、
白琺瑯の石の級ただ照り渇き痺れたる。
そのかげに、紅き襯衣ぬぎ
悲しめる道化芝居の触木うち、
自棄に弾くギタルラ弾者と、癪持と、
淫の舞の眩暈、
さては火酒かぶりつつ強ひて転がる酔漢と、
笑ひひしめく盲らは西瓜をぞ切る。
あな熱し、あな苦し、あなたづたづし。
既に見よ、瞬間のさき、
仄かなる愁の文にしみじみと
竜馬の羽うらにほひ透き、揺れて縺つれし
水盤の水ひとたまり。
あるはまた、螺を吹く神の息づかひ
焔に頻吹きひえびえと... | 底本:「白秋全集 1」岩波書店
1984(昭和59)年12月5日
入力:飛鷹美緒
校正:林 幸雄
2010年7月5日作成
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| {"作品ID": "049619", "作品名": "第二邪宗門", "作品名読み": "だいにじゃしゅうもん", "ソート用読み": "たいにしやしゆうもん", "副題": "", "副題読み": "", "原題": "", "初出": "", "分類番号": "NDC 911", "文字遣い種別": "新字旧仮名", "作品著作権フラグ": "なし", "公開日": "2010-07-26T00:00:00", "最終更新日": "2014-09-21T00:00:00", "図書カードURL": "https://www.aozora.gr.jp/cards/000106/card49619.html", "人物ID": "0... | 0.405 | 0.634 | 0.265 | 0 | 0.779 | Intermediate | 22,891 | 0.269058 | 37.361739 | 6.776425 | 0.192488 | 0.958922 | 1.467278 | 0.002927 | 0.477204 | 1,072.091753 | 0 | 4.049569 |
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